馬と鹿と

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

2018-01-01から1年間の記事一覧

野田サトル「ゴールデンカムイ」15巻を読んだ感想。

15巻読んだ。前の14巻で話は一つの山場を迎えていたが、また脱線しはじめて、本筋がなかなか進まない。月島軍曹にそんな悲しい過去が・・・、って登場人物がことごとく重い過去や事情を抱えていて、何も考えてないのはたぶん白石くらい。 わき役のサイドスト…

どういう人が憲兵になったのか。

憲兵についての研究書は読んでないが、私が持っている本の中では、朝日新聞山形支局「ある憲兵の記録」がある。これは旧満州国の元関東軍憲兵だったT氏の話を、新聞記者がまとめたもので、憲兵や特高警察に捕まった人の話は時々聞くけれども、「捕まえていた…

なぜ憲兵が市民を取り締まるのか。朝ドラ「まんぷく」の時代背景解説。

NHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」。安藤百福をモデルにした萬平さんが、憲兵に連行されて、「すぐ釈放されるだろ」と思っていたら、ガッツリ拷問を受けて長く拘留されている。とりあえずウィキペディアを見ると、安藤百福さんも戦時中につかまって拷問を受…

先日の秋華賞と、毎日王冠。

1週間遅れだけど、毎日王冠見た。アエロリットの逃げ切り勝ち。過去に逃げて毎日王冠を勝った馬といえば、ダイタクヘリオスは強かった。アエロリットも、1800いけるけど、ベストはマイルっぽい。 秋華賞。アーモンドアイ強かったね~。桜花賞の時も今回も、…

「幻のノーベル賞」が多すぎる。~「歴史秘話ヒストリア」に関連して。

歴史秘話ヒストリア「まぼろしのノーベル賞 世界初!がんを作った男」 - NHK およそ90年前、日本人初のノーベル賞に、もっとも近づいた男・山極勝三郎。世界初人の手でがんを作る実験に成功し、がん研究の新たな道を切り開いた医学者に迫る https://t.co/fkK…

蔵馬の声だって、最初は・・・

www.nicovideo.jp 来年1月からアニメが放映される「約束のネバーランド」。アニメ化決定のPVを見てみたら、メインキャラの少年二人の声優が女性だったことで、ちょっと荒れていた。 古い話になるが、幽遊白書でも最初は、「蔵馬の声が女性なんて!」って女性…

彼らはなぜかチャレンジャーだった。

今期の朝ドラは、知っての通り、インスタントラーメンを発明した安藤百福氏がモデル。同じNHKの「知恵泉」で、安藤百福の企業家人生をやっていたが、戦争や仕事の失敗で行き詰っても、何度も新しい事業に挑む熱っぽい生きざまを伝えていた。 無一文になった…

南京と「慰安婦」以外にも

南京事件については、犠牲者の数については議論がありますが「なかった」と言い切るのは余りにも異常です。政府見解でも虐殺があったことは認めているのに。「南京事件はなかった」杉田水脈がマスコミ禁止講演会で本心を語る(FRIDAY) - Yahoo!ニュース htt…

百合、認定。

・やがて君になる・うちのメイドがウザすぎる!・となりの吸血鬼さんいや、金曜夜の百合アニメ攻勢が激し過ぎるっ!?w pic.twitter.com/0L0b3QmPdN — すやまたくじ@アニメ&漫画ブロガー (@suyamatakuji) October 5, 2018 【2018年秋アニメ】「やがて君にな…

中国に抜かれるぞ。

一番恐ろしいのは、これだけはっきりと失敗した「選択と集中」路線が、今後改められる気配が全くないことです。 / ““科学技術強国”中国の躍進と日本の厳しい現実 |NHK NEWS WEB” https://t.co/uRXhTsJ4EZ — アニ (@gorotaku) September 13, 2018 安倍政権下…

雑誌カラーが断絶転換していくジャンプ。「約束のネバーランド」を2巻まで読んで。追記あり。

弟がTSUTAYAから借りてきたので、「約束のネバーランド」を2巻まで読む。 話のメインはデスノート的な知恵比べなのだが、ジャンプ作品とは思えないくらいダークな設定。ちびっ子のトラウマ度高そう。 まぁ面白いんだけど、大人としては「よくこの設定が通っ…

北欧諸国と日本が違う理由を、ちょっと考えてみる。

何度も言われているが、北欧諸国が幸せ度が高いのは、食事から衣類、物品に至るまで全てにおいて選択肢が乏しいから、他の世界を知らないから、と言う点が大きい。これは私だけでなくスウェ等在邦人のツイッターT L追えばわかる。日本在住日本人が羨ましがる…

クルーグマンの変節? まとめ

togetter.com

政治小話「世界でいちばん完璧な国」その3

某国は、世界で一番完璧な国である。 前に大きな戦争をやった時は、似たようにクソ真面目な国と、真面目でもなく適当でだらけた国と一緒になって戦った。適当な国は「いちぬけた」と早くも降伏してしまったが、クソ真面目な二つの国は戦い続けた。 「この戦…

政治小話「世界でいちばん完璧な国」その2

某国は、世界で一番完璧な国である。 この国では表現の自由が完璧に保証されているので、もちろんヘイトスピーチ禁止法などは存在しない。ヘイトスピーチの自由は命懸けで守られている。本当に死人も出た。 完璧な市民は、「いいや、それではまだ表現の自由…

政治小話「世界でいちばん完璧な国」

某国は、世界で一番完璧な国である。 この国では徹底的なコスト削減、完璧な効率化のため、隣か隣の隣にある「最低で最悪の国」に、年金記録の管理業務を委託している。 この完璧な国では、どんなささいなミスも許されないため、ミスをしそうなことは「最低…

あなたの推しスルタンはだ~れ?

今日の「Qさま」は、徳川家の歴代将軍ランキング。・・・ずいぶんせまい範囲のランキングだな。全部で15人しかいないじゃん。 こんな企画が許されるなら、「中国の歴代皇帝ランキング」「古代ローマの歴代皇帝ランキング」、はたまた「オスマン帝国の歴代ス…

沖縄県知事選の結果に思う。もし、朝起きて米軍基地が隣にあったら。

最近マンネリの「人間観察モニタリング」。俺が企画を立てるとしたら、保守派が朝起きたら、隣に米軍基地や原発が立っているのを受け入れるのか受け入れないのか、試してみたいね。 沖縄の米軍基地問題は、原発問題とある種似た構造を抱えている。保守派は「…

マイナー藩にも光を! という。

NHK「英雄たちの選択」 再放送なんだけど、幕末維新における肥前・佐賀藩、とりわけ藩主の鍋島閑叟(かんそう)をやっていた。 磯田道史氏が喜々とテンション高く、肥前が「幕末最強の軍隊」だったとか、「一番優れていた情報網」であったことを語る(という…

「世界歴史大系 朝鮮史 1」の簡単な感想と、ゾンビ的な「停滞史観」について。

すでに返したんだけれども、宮嶋博史その他編「世界歴史大系 朝鮮史 1」を借りていた。「借りても全部読めないよ~」といっていたら、「必要なところだけ調べて、コピーすればいいんじゃない」といわれたので、そうしたのだった。 「高麗時代に生まれた世界…

自民がくれたもの、まとめ。

togetter.com ほとんどがブログに書いてない文章。特に「導入断念が決まる」以降。

「薔薇の名前」まとめ 補足を追加。

togetter.com 更新ちょっと間が開いた。最近はネタ切れと、さすがに情熱の低下があって・・・。 「最後の第4回。ネタバレ。」以降が新しい文章。 補足。 詳しくは実際にはしがきを読んでもらった方が早いのだが、まずエーコが手に取ったのは、ラテン語で書か…

ヘタレなもので・・・。表現規制問題と弁明。

表現規制の問題はいろいろ難しく、力不足なのに首を突っ込まない方がいいのだが・・・。 ひとつふたつ。規制反対派の言う「ポルノ表現が規制されれば、やがて表現の自由全般が抑圧される」というのは、仮定の話に過ぎない。左翼が言う「やがて徴兵制が導入さ…

李氏朝鮮に学べ。余談を追記。

togetter.com イグ・ノーベル賞、日本人が12年連続受賞。喜びと賛辞の声の一方で、毎度懸念されているのが政府による研究予算の削減。これが日本における科学技術の未来に暗い影を落とす。 朝鮮王朝(李氏朝鮮)史上最高の名君といわれた世宗(大王)は、中…

補足。大西洋憲章に違反しているロシア。

安倍総理とプーチン氏、日ロ首脳会談で役者の違いを見せつけられる。 - 犬沼トラノオ日記 千島列島について書いてある直リンクはこちら。 尖閣・竹島・千島 領土問題 - 特集 私は共産党の回し者ではないけれど、ここで千島と尖閣諸島の歴史について書かれて…

日ロ首脳会談で役者の違いを見せつけられる。

当然のことだけれども・・・、記録的な台風に加え、北海道で大地震が最近起こったのは、安倍首相のせいではない。単なる日本の地理的環境だ。けれども、日本が自然災害の多い厳しい土地なら、防災に関する標準以上の優秀さが政治家に求められる。 安倍首相が…

「100分de名著」 エーコ「薔薇の名前」第2回

「異端は作られる」というのは、エーコより一世代前の現代思想、アルチュセールやフーコーでさんざん聞いたよ、って気もするのだが、それをミステリータッチの小説でやったところにエーコの新しさがあるんだろう。たぶん。 「薔薇の名前」は14世紀のお話であ…

走らない名作

www.nicovideo.jp 太宰治 走れメロス 「走れメロス」ほど、読む前のイメージと実際読んだ時のイメージが違う古典も、珍しいのではないか。まず、ヨーロッパの昔話か何かと小さいころ思っていたが、作者は太宰治であるし、「友人のためにメロスが走る話」かと…

「外交の安倍」と食い違う現実?

同じ産経の数日前の記事によれば「トランプが真珠湾攻撃を持ちだしたのは日本を激励するためで、非難する意味はない」ということで、私も安心していたのですが、ずいぶん言ってたことと話が違うと思います。 https://t.co/W1kMONO4Z6 @Sankei_newsさんから —…

「100分de名著」 エーコ「薔薇の名前」第1回、私的解説。

いよいよ本日9月3日(月)22時25分より、ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」がスタート。初のイタリア文学。解説するのは生前のエーコと交流のあった和田忠彦さん。第一回はエーコの意外な素顔のエピソードも。そして「薔薇の名前」は実はある著名な作品のパ…