「異端は作られる」というのは、エーコより一世代前の現代思想、アルチュセールやフーコーでさんざん聞いたよ、って気もするのだが、それをミステリータッチの小説でやったところにエーコの新しさがあるんだろう。たぶん。
「薔薇の名前」は14世紀のお話であるが、ヨーロッパで異端審問や魔女狩りが最も激しくなったのは、ルターの宗教改革以降で16世紀から17世紀のことらしい。安定期には何もしなくても安定しているものだが、それが揺らいでくると、番組内でも言われたように、やれ異端だなんだと締め付けが厳しくなるのだろう。
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