馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

これが本当の“思ったよりヤバイの” アニメ「ダンジョン飯」第17話の感想。

 前回のカブルーは、ただ野次馬根性丸出し、ウッキウキで「思ったよりヤバイのが出てきたな どうすんだこれ」と思っていたけれど、その直後に映し出された“キメラ化・ファリン”に、視聴者は「思ったよりヤバイのが出てきたな どうすんだこれ」と困惑することになった。

 

 さらに今回17話では、シュローの仲間や、カブルーパーティーを次々殺害する暴走ファリンに対し、なおかばおうとするライマルにカブルーぶちギレ。

 蘇生魔法はあるものの、ファリンがそうだったように、万能ではない(詳しい解説は原作漫画にあるよ)。

 

 しかしなぁ~、「面白そうだから」とライオスPTについて行ったカブルーが、本当の意味で「思ったよりヤバイのが出てきた」ことになり、カブルーも反省した方がいいんでは。

二部構成は難しい? FEシリーズにおける、様々な「続編」のパターン。

 >トラキアと烈火だけはFEの中でも異色です。

 

 そういえば…、長くなったFEシリーズで、「~あれから数年後」の王道続編は2つ出ている(「紋章の謎」と「暁の女神」)けど、「トラキア776」は幕間劇、「烈火の剣」は前日譚。
 それぞれ唯一のパターンか。

ついでに

 紋章は、FC「暗黒竜と光の剣」のリメイクも収録した、豪華な二部構成だった。
 しかしそれは「前作をやってない、初めてのプレイヤーには、ストーリー・設定が分かりにくい。ハードルが高い」という消極的理由に過ぎなかった(当時、攻略本で開発裏話を読んだ。今ではネットの解説記事にも載っている)。

 それだけに、「ユニットデータの引き継ぎ」といったシステムは一切なし。

 

 最ものちに、それらを備えた「暁の女神」が、敵味方の強さインフレを起こし悪目立ちしてしまったことを考えると、紋章の謎くらいの「育成リセットした続編」が正解かもしれない。(それでも、紋章ですでにインフレ気味)

よく言われているけど、暁も、前半はバランスが良かった。

 具体的には、前作キャラのジルが、1部から上級職で仲間になるものの、「強すぎず、弱すぎず」の調整がされている。

 ジル個人は弱体化しているが、蒼炎と違って暁ではDナイト系に弓特効がなくなり、雷魔法のみ特攻(竜鱗族と統一)。なので、そこを活かした蒼炎と違う運用も出来る。

dic.pixiv.net

 ところが、3部でアイク率いるグレイル傭兵団が自軍として操作可能になると、様相が一変。
 ユニットのステータス・成長率が、軒並み底上げされていた。

 シノンのように、言動、キャラクターから言って強くないとまずいだろ、という仲間の改善だけでなく、ボーレの守備、ガトリーの魔防も底上げされた結果、アイク軍は隙のないメンバー構成に。

 そこに、2部ではまだ散らばっていたチャップやハールも合流し、アイク軍の章は完全にワンサイドゲーム

 数は多いけど薄味だった。

 

 ラグズ王族(ティバーンら前作キャラに加え、新規にニケ女王)や漆黒の騎士は、作中設定で「強い」と言われているだけに、まだお助けユニットと理解できる。
 が、3部以降は単に調整が甘い。

烈火のプレイ日記や「エリウッドのかっこいいシーン」は、画像量が多いんでまとめに頼った。

 ブログに載せるのを忘れていたけど、ポストまとめ作った。

togetter.com

 特に加筆修正したい所はなかったアニメ「ダンジョン飯」16話感想、続・烈火の剣ゆるゆるプレイ日記、エリウッドのかっこいいシーン、アクア姉貴…、が主な新規収録。

 「アクア姉貴」は思ったまま雑に書いたんで、ブログで整理して書き直す気がおきなかったんだけど、「エリウッドのかっこいいシーン」くらいはブログにも載せておけば良かったかな。画像量が多かったのがね。

世界ひろし。玄人好み。昨日今日初めて知った、劇場アニメ「鹿の王」を見た感想。

 ネットフリックスで、アニメの新着作品に「鹿の王」ってのがあったんで、気になって調べてみた。

ja.wikipedia.org

 ふんふん、ウィキペ丸写しで申し訳ないンスゲートが、

 "本作は、2015年度の本屋大賞と日本医療小説大賞をダブル受賞し、シリーズ累計250万部を突破した上橋菜穂子のベストセラー小説『鹿の王』を劇場アニメ化"

 "監督は、スタジオジブリの『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』、そして新海誠の『君の名は。』という邦画の歴代興行収入ランキング上位5作品のうち3作品でキャラクターデザインや作画監督を務めた国内トップアニメーターの一人である安藤雅司と、(長いんで中略)制作は『攻殻機動隊』シリーズなどで知られるProduction I.Gが担当"

 …と、すご原作にすごクリエイターが集結したことは分かった。

 

 2022年公開、なんだけど、当時話題になり、俺に話題が流れてきた記憶がまるでない。もちろん、俺の狭いアンテナが世界のすべてなわきゃーない。世界ひろし。

 ただ、実際に見てみると、すごくクオリティーが高くて、ネームバリューからの期待値を裏切らないものの、「俺に近いオタクな層」「普段アニメを見ない一般人(俺の家族とか)」にかすらなかった理由が、よぅわかった。

 大ヒットをよく知っているスパイファミリーとか鬼滅とか、今ならダンジョン飯かなぁ、それらに共通する「軽み」「分かりやすさ」がない。

 

 架空世界を緻密に描き、のっけから架空の固有名詞がバンバン出てくる。
分かりやすい説明は、冒頭の短いテロップだけで、それを頭に入れ、さらに出てくる固有名詞を脳内で整理しつつ見ないと、分かりづらくてしんどい。

 少なくとも俺は、はじめ辛抱して見ていた。途中から、まぁ世界観や人間関係がなじんでくるというか、繰り返し出る固有名詞が「なんとなく」わかってきた。
 視覚情報によってなんとなくわかるのは、映像作品のいいとこ。
 とはいっても、最後まで襟を正してみるような、まじめな話。

 

 随所に「もののけ姫」の経験をうかがわせる、スピーディーな騎馬(この作品内では、馬でなく架空の「飛鹿」と「山犬」。ヤックルに相当する乗って移動できる動物)移動シーンなど、ケレン味もある。
 しかし、それを「楽しい」と感じている余裕がないほどシリアス。
 まぁ、もののけ姫もそういうんだったな。

鹿と空いたままの口

 たとえば、主人公格のキャラクター・ヴァンと、ヴァン以外に生き残っていたところを保護され、ヴァンと親子的関係になっていく少女・ユナ。
 ユナはかわいいんだけど、それはアーニャのかわいさとは違う。リアル子供の動き・しぐさでかわいかった。
 もちろん、どっちがいいとか悪いじゃなくて、作品性の違いだ。

 ユナは、もぞもぞと動いてヴァンに近づく、いつも締まりのない顔をしている、といった様子で視聴者をほっこりさせる。アーニャのように、漫画チックに面白い顔はしない。

 

 終盤の方の何気ないシーンだけど、鹿に乗っているヴァンと、その前に乗っているユナ。

 アニメ制作アニメの秀作「SHIROBAKO」では、伝説といわれるベテランアニメーターが、若手に馬の書き方を「横移動だけじゃなくて、上下運動にも気を付けること」と教えていた。

 競馬好きゆえ、俺も馬についてはちょっと知っている。まずあたりまえ体操として、馬は「前足を動かし、後ろ足を動かす」のくり返しで走る。
 その際、胴体も足の動きに合わせて伸縮したり、重心が移動し、乗っている人間は前後上下に揺さぶられる。
 馬が人を乗せてゆっくり歩くだけ(競馬用語では「乗り運動」)でも、騎乗者は揺さぶられる。

 ユナはいつものように、口を開けたまま鹿に乗っていた。
 そして「あ、あ」と声を出しており、鹿が歩くことによって体が揺さぶられ、開けっ放しの口から声が漏れたのだと分かる。
 ※リアルなら、口を噛む危険があるんで、きちっと口閉じておこう。

 

 いや、これたまたま俺がちょっと知ってるから気づいただけで、細かい描写がたくさんあるだろうな。
 要するに玄人好みっすね。

ラガルトを育てて、終章に連れて行くプレイヤーはいても、マシューを連れて行く人は…。

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 レベルカンスト、ラガルト。

 烈火におけるアサシンの「力」上限値は、たったの20。下級職共通の上限と同じ。
 盗賊時代から全く上がってないじゃん!

 正直育てても物足りないんだけど、ラガルトのかっこよさ、ジャファニノCPの人気で、すべて許された感。

 

 また、忘れちゃいけない、レイラに直接手を下したのはジャファルだが、元凶はネルガル。
 育てたマシューでネルガルを討つ! というプレイも、燃えるはずだけど、専用戦闘会話ないしなぁ…。盛り上がりに欠ける!?

 (その前に、初期ステと成長率が戦闘向きじゃないという問題)