馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

シーザリオとラインクラフト。05年クラシック世代、名牝2頭のまとめ。

 2005年、ディープインパクトの登場で、オグリ以来と言われる競馬ブームが巻き起こる中、牡馬クラシックとは別に、牝馬クラシック戦線でも熱い戦いが繰り広げられていた。

シーザリオ

 一頭はシーザリオ
 父はスペシャルウィーク。所属は、顕彰馬・ウオッカ牝馬で初めてG1・7勝の大台に乗る)や、デルタブルースメルボルンカップを日本馬初優勝、ヴィクトワールピサドバイWCを日本馬初優勝など、数々の「初」記録を持つ名門・角居勝彦厩舎。

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 “圧倒的な走りで、日本馬によるアメリカG1初制覇、そして父内国産馬による初の海外国際G1制覇を達成したのだ。”


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 仔のエピファネイア(父・シンボリクリスエス菊花賞とJCのG1・2勝)、リオンディーズ(父・キングカメハメハ、朝日杯)、サートゥルナーリア(父・ロードカナロア皐月賞)も、同厩舎で活躍した。

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 主戦騎手は福永祐一氏(現在は調教師)。エピファネイアでも主戦を務めた。
 …のだが、エピファについては、これだけの素質馬で、皐月もダービーも勝てなかった、と悔いの残る結果だったようだ。
 また、古馬になってスミヨン騎手に乗り替わると、成績を落としていたのが嘘のようにジャパンカップを圧勝。


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 辛口のファンからは、“牝馬しかうまく乗れない福永”と言われることに。

ラインクラフト

 もう一頭の名牝はラインクラフト
 シーザリオのライバルと言ったら、同期のラインクラフトになる。父はスイープトウショウと同じエンドスウィープオグリキャップネオユニヴァース等で有名な瀬戸口勉厩舎に所属していた。

 当時福永騎手は、ラインクラフトの主戦でもあり、桜花賞でお手馬が被ってしまったが、先約を優先してラインクラフトに乗っている。
 結果は1着ラインクラフト、2着シーザリオ(騎手は吉田稔氏)で、短いキャリアの中で、唯一土をつけられる形に。
 その後、ラインクラフトNHKマイルCに向かったため、シーザリオにリベンジの機会はなかった。


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 ラインクラフトは、そのNHKマイルCも優勝して、昨年(04年)のキングカメハメハになぞらえて、「変則2冠」と呼ばれた。

 以降は、秋華賞エアメサイアに敗れて(2着)取りこぼすなど、勝ちきれないレースが続いたものの、4歳になると、阪神牝馬Sエアメサイアを下して勝利。久々に白星を挙げた。
 ところが現役中の同年8月、急性心不全で亡くなる。突然の訃報だった。

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 競争引退、繁殖に上がった後、シーザリオは次々とG1馬を生み出し、「日本のアーバンシー」とまで言われ、エアメサイアも2頭の重賞勝ち馬を出した。
 ラインクラフトの仔、シーザリオエアメサイアとの産駒対決を見たかった、というファンは今も多い。

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