馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

ライスシャワーが「ヒール」になった時代背景。~関西ファンが引きずっていた関東への対抗意識。


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 ライスシャワーの「ヒール扱い」について、背景をちょっと解説しておこう。
 rediaさんのコメントにある「当時は今と比べてファンにも関東と関西の競争意識強かったことや所属の関東ではなく京都で2度記録破ったこと出来たヒール像だと思います」というか、実況の杉本清さんは、関西テレビで68年からやっている大ベテランだった。
 何しろ、アローエクスプレスVSタニノムーティエの「東西対決」で盛り上がった(らしい)のが、1970年だからね。


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 80年代までは、「東高西低」が言われていたせいか、杉本氏は「見てくれこの脚! これが関西期待の星テンポイントだ!」といった関西馬びいきの実況をやっていた。
 まぁそれを踏まえても、こういったひいき実況は、一部のファンから評判悪い。特に1993年の天皇賞・春での、(ライスシャワーがマックイーンを交わす前後)「マックイーン頑張れ」がねぇ…。おもっくそヒールに仕立ててますねぇ。


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 それがこの95年天皇賞・春で、3~4コーナーを回って早めに先頭に立ったライスシャワーに対して、「やっぱりこの馬は強いのか!?」という驚きの入り混じった実況だったり、馬いい話で取り上げられた「ミホノブルボンメジロマックイーンも喜んでいることでしょう」で締められたのは良かった。(…次走、死亡事故がなければ、とんでもなく良かったのだが)


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 ところで、私のような90年代からのファンだと、関東だ関西だというのはピンとこないんだけど、80年代まではテレビの競馬中継ですら、関東だったら関西のG2まではゴール前からフィニッシュをちょっと映して終わり、という雑な時代だったらしい。