鞍上は、まだ若手だった頃の池添謙一騎手。デュランダルで、脳裏に焼き付いて離れぬ追い込みを決めた結果、「(以降)そういう馬の依頼が多くなった」と話す。
ということは、クラシック三冠や、世界的に高く評価された有馬記念圧勝(8馬身差!)で引退したオルフェーヴルも、デュランダルに乗ったチャンスを物にした結果だ。
また、池添騎手といえば、「よくクセ馬に乗る」というイメージがあり、ネットでは好んでスイープトウショウ、ドリームジャーニーらの、奇抜な個性と共に語られている。
デュランダルも気性が荒く、荒いがゆえに後ろから行って大外を回る極端な走り方になったらしい。それでも、スイープトウショウやドリームジャーニー・オルフェーヴル兄弟に比べれば、「並の気性難」という印象。本物の気性難は、負ける時が極端だから…。
オルフェーヴルが圧倒的一番人気で惨敗した天皇賞・春(2012年、11着)のことは、池添騎手にとってリアル「うっ、頭が…」案件であり、思い出したくないようだ(藤岡佑介「ジョッキー×ジョッキー」を読んで)。
これら短距離G1での追い込みは、長距離レースと一味違った魅力がある。距離が短いと、馬の着差が開きにくくなる。ついでに、単に能力の低い馬を除けば、バテるということがない。
そのため、団子状態に連なったライバルたちを、「一刀両断」「まとめて撫で斬った」という勝ち方になる。