馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

たまにはキャラが死なない時も…ってコト!? アニメ2期「呪術廻戦 渋谷事変」第36話の感想。

 仲間を多数殺傷され、完全にキレたナナミンが、完璧クズでしかない呪詛師をぶちのめす。

 でも、一応情報を聞き出そうと、「敵の数と配置は?」と何度も質問する。それがかえって、「ふだん常識あるまともな大人を怒らすと怖いよ」って迫力増している。

 アニメだと、「敵の数と配置は?」の声に尋常ではない怒気がこもっていて、拳に力を込めたカットが大写しになるし、よりはっきりとナナミンの感情を伝えていた。

原作と当時の雰囲気

 原作漫画だと、七海が半裸・サイドテール呪詛師(重面)をぶちのめした回と、伊地知さんが「一命をとりとめた」と説明される回が分かれていたので、当時は確か、「この怒りっぷりだと、伊地知さん死んだんだろうなぁ」と思っていた読者もいた。

 が、なんと死んでいなかった。

 いや、これまでも順平、順平の母、過去編の理子ちゃん、エトセトラ、エトセトラ…、容赦なく罪のないキャラを殺してきた作者だから、死亡したと想像するのも無理はない。
 その前の、降霊・甚爾にボコボコにされた猪野先輩も、奇跡的に死んでいなかった。

 

 ここで発揮した、キャラを殺しすぎない理性を、もっと作者が持っていれば…、と思わずにいられない。
 最近SNSに流れてきた本誌ネタバレでも、「××が死んだ!」と大騒ぎだったし。