馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

(※本誌ネタバレ)今週のジャンプ「鬼滅の刃」。「珠世か愈史郎の血鬼術説」崩壊。修正あり。

 富野由悠季監督、田中芳樹先生、あるいは虚淵玄氏に続き、令和の皆殺し伝説を作ろうとしている吾峠呼世晴先生。今話で愈史郎が「まずい…」とマジ慌てしているので、一部の読者が言ってた「珠世か愈史郎の血鬼術説」は消えた。

 弟Aはまだ今週のジャンプを読んでいなかったが、「珠世か愈史郎の血鬼術説」を話してみたところ、「そもそもありえない」といわれた。

 (1)すでに珠世と無惨が戦っていた(そして珠世は死んだ)が、血鬼術の効いた気配が全くなかった。

 (修正)そもそも珠世を鬼にしたのは無惨。部下の能力は把握されているから、無惨をだませるような血鬼術はない。愈史郎だけは珠世によって鬼になったので、無惨の裏をかけた。
 ただし、薬は効いてきた。血鬼術は効かないが、薬は効く。これはつまり、鬼としての能力ではなく、人間としての(または人間的な感情による)研究知識が、鬼に勝つという物語的なメタファー。
 (2)愈史郎の血鬼術で無惨をだますというのは、すでに鳴女を使ってやっていた。メタ的な理由になるけれど、吾峠先生ほどの作家が、ラスボス戦で同じトリックを使いまわすことはない。

 
 …カナヲちゃんとか大丈夫やろか。何しろしのぶさんが死んで、カナヲはもう大事な人を失っているので、怖いものなしの吾峠先生が「カナヲも殺しておこう」なんて思っているかも。
 (「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」のラフタみたいに、恋愛フラグの立っているキャラは、脚本家が意地悪だと「恋が実る前に殺す」なんてやるからなぁ。)