馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

羊の皮をかぶった狼…? 当初の印象を覆す、FEエンゲージの過去作リスペクト要素。

ちょっとネタバレ注意。

 ・意外なほどちゃんとシリーズ作品リスペクト。

 当初は、キャラデザの統一感というやつか、エンゲージキャラに寄せられた紋章士たちに少々違和感があった。目の大きいリン、これはこれでいい3Dモデルなんだけど、うーむ、オリジナルのリンとだいぶ違うね。

 まぁ、リメイクを重ねるたびにマルスの立ち絵とグラフィックも、ころころ変わっていたわけだし、宿命のようなものか。


 ところが、様々な点で、オリジナルの細かいネタを拾っていた。

 シグルドのエンゲージスキル「(行動後)再移動」というのは、「聖戦の系譜」で初めて騎馬・飛行ユニットの再移動が導入されたことに基づくんだろうし、リンの「残像」は、必殺発動時のモーションで残像を見せていたからだろう。

 ※残像自体は、ソードマスターの汎用モーションでもあったはず(うろ覚え)。
 ただ、封印~烈火におけるソードマスターというのは、敵にも味方にもリンの出身地であるサカの部族が多く、またサカ限定の兵種「遊牧民」は、弓を使う(上級職になると、剣も使える)。
 だからリンの必殺モーションと、CCで弓が使えるようになることは、「サカの文化」を反映していたと推察できる。

 

 そんでもって、後半の、各紋章士ごとに存在する外伝マップ。
 シグルドの外伝で、オリジナルの10章「光と闇と」を模したミニマップをやれて、10章の神BGMのアレンジが流れたのも良かった。たった1マップに凝ってんなー。

 「光と闇と」は、終章の前のマップ。外伝やるとき語られているように、非業の死を遂げたシグルドの故国を奪還する、プレイヤーにとって感動と興奮のマップだった。シグルドの無念は、(子世代によって)ついに晴らされた。

 

 紋章士ロイの外伝では、ベルンのゼフィール国王と決着をつける22章ではなく、その前21章というのもの、「分かってる」感がある。
 私は初めてここをやった時、ついに敵軍の本拠地ベルンに足を踏み入れたというストーリー的な高揚感と、BGMの切り替わりと、大量の敵増援で仲間をロストしたりと、感情をシッチャカメッチャカにされた。(というわけで、この外伝マップでも、ドラゴンナイトの増援が多い)

 中には、リンの外伝マップが、封印の20章外伝(サカルート)になっていて、「烈火のマップじゃないじゃん!」というツッコミどころも。

 まぁ「烈火の剣」でサカが舞台のマップは、すぐに終わるからね。仕方ないのかしら。

 

 もっと意外だったのは、本筋のストーリーでも、息子・セリスが物心ついたときには亡くなっていたシグルドが、エンゲージでは「神竜の子」リュールを支える立場になるというキャラクター関係図。


 シリーズファンほど、序盤で「まるでラノベ」と呆れて投げ出すのは惜しい所。

 いや、序盤~前半を我慢しないとリスペクトが伝わらない、という作りにかなり問題あるんだけど。

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