馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

「タフという言葉は、ジェンティルドンナのためにある」

 別に馬の生態に詳しくはないけど…、00年代後半以降、急激に目立ってきた「強い牝馬」は、どれもタフだった。

 周知のとおり立派な馬体をしていたダイワスカーレット、巨体もあったが、さらに連戦をこなせる屈強さが目を引くウオッカスイープトウショウも、常にマイペース、どんな状況でも我を通す性格は、精神的なタフさの表れかもしれない。

 

 ダスカたちに比べて、中型の馬体でムキムキしておらず、アイドル視されたブエナビスタでも、管理していた松田博資調教師は、「丈夫なのがいい」と褒めたたえていた。
 確かに、大きなけがなく走り続けたことや、G1でもよく複勝圏内に入る安定感は、見事なもの。

 yogiboのCMを通じてすっかりアイドル馬になった半兄・アドマイヤジャパンの方が、体質が弱くて順調に走れなかったらしい。(「別冊宝島 競馬名馬読本DX」98ページ)

 また、ラフオンテースのエピソードを通じて、レース中に体をぶつけたことが、大ケガにならなくても精神的動揺として残り、不振に陥るケースもあることを知った。「牝馬は繊細」だけに、そういう出来事もマイナスになるのだろう。

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 …それがジェンティルドンナとなると、オルフェーヴルやゴルシといった牡馬相手に馬体の接触、ぶつかりを何度も経験し、身体的にも精神的にもピンピンしている。
 これこそファンの多くが、ドンナをゴリ…じゃなくて、「まれにみるタフな名牝」として認識する理由だろう。

 

 ゆえに、ウマ娘のキャラ付けも、ああなった。なってしまうというべきか?