全くの思い付きだけど、維新の独立国みたいな今の大阪は、アメリカのトランプ現象と似てる。
「アメリカン・ドリーム」と言われたように、「今は貧しくても、チャンスをつかめば成功できる。俺にはきっと才能がある」とアメリカ人は信じていた。それが超格差社会化して信じられなくなると、主に高齢者、白人、男性の層は、トランプ氏に走った。
トランプ前大統領がたびたび「アメリカを再び偉大に」と言ったように、今更リベラル(社会民主主義)を受け入れられず、過去の栄光がよみがえってほしい人々を動員した。
大阪もかつては「商人の町」だったが、年々全国の中で経済的地位が下がっており(大阪で維新と対立する政党は、これを「維新の失政」としている)、高齢化も進んでいる。
停滞する状況で、維新の会だけは数少なくノリがよく、刺激的で、革新的に見えるのかもしれない。
トランプ現象との違いは、当然ある。維新は歴史の浅い政党で、大阪以外では現職議員も少ないため、候補者の顔ぶれは若い。立民や共産より見た目のフレッシュ感がある。
だから多少、人気なのは分かる。多少ね。
大阪と京都を比較すると、京都では維新が勝ってないので、在阪のテレビによる洗脳では説明がつかない。むしろ、新自由主義というか、商人の街であったことから来る商人道徳みたいなものなのではないかな。大阪イデオロギーは。
— 藤田直哉@新刊『シン・エヴァンゲリオン論』河出新書 (@naoya_fujita) 2021年11月1日
立憲民主党、枝野代表が辞意表明
うーん、まぁそれがいいね。
よく言われてると思うけど、おとといの選挙は与野党問わず、ベテランが思わぬ苦戦を強いられた。
小沢一郎氏が小選挙区で落ち、辻元氏が落選。平野博文氏や中村喜四郎氏も。与党では、石原伸晃氏、甘利氏(選挙後、幹事長を辞任)、野田毅氏。主に都市部で苦戦していたが、地方でも野田氏や中村氏がダメだった。
自民 野田毅 元自治大臣 落選確実に 重複立候補なし 熊本2区 | 2021衆院選 | NHKニュース
「無敗の男」が敗北 中村喜四郎氏「天が与えた試練」 保守票離れ | 毎日新聞
議席数でいえば、維新が前々回衆院選の規模に戻ったくらいで恐ろしく変化しなかったが、さすがに有権者は新しい人を求めている。
後継者不在のベテランたち
麻生太郎氏や二階俊博氏が楽勝したのを見ると、いかにも悪が成敗されず、のさばっているように感じる。
ただ、表面的には盤石でも、彼らの先は見えない。特に二階氏の地元・和歌山というのは、「アダムズ方式」で計算すると、選挙区が3から2に減るほど衰退している。
(ついでに、自民王国である中国地方の、岡山、岸田総理の地元・広島、安倍晋三元総理の山口も減るし、杉田水脈氏を当選させた比例中国ブロックも減る)
衆院小選挙区「10増10減」 東京5増、10県で減―アダムズ方式初適用:時事ドットコム
もっとも、こんなことをつらつら言っても、野党が負けた恨み言になってむなしい。全体的に野党が優勢だった比例東北ブロック、新潟県でも減る。
それより重要なことは、今の自民党幹部たちが後継者を育ててないことだ。
麻生氏は「85歳まで議員をやる」といい、その理由がどうやら敬愛する祖父・吉田茂元総理が85歳までやったからという。
しかし吉田は、(ワンマン宰相と言われつつ)次代を担う政治家を育てることに熱心で、吉田の薫陶を受けて池田勇人といった総理大臣が現れた。それは「吉田学校」といわれた。
今、「麻生学校」というものはない。