馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

10巻まで読んだ。漫画「Dr.STONE」(稲垣理一郎氏、Boichi氏作)の感想、つづき。加筆修正あり。さらに加筆。

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 すでに蒸気機関や戦車を作って「産業革命」を達成したのに、「大航海時代」って、時代をさかのぼってるやんけ! と言いたくなる。

 (豆知識。千空たちが作中で作った蒸気自動車は、19世紀初め、まだ産業革命から離れてない時代に発明されている。しかし、蒸気機関では安定して走りにくかったようで、自動車が実用化するのは、19世紀末のダイムラーによるガソリン自動車からだった。中村泰三・編著「理解しやすい地理B(新課程版)」305ページ。)

 まぁ、ゲームの「シヴィライゼーション」感覚というか、発明する順番は歴史通りではなく、今必要なもの、というのもこの漫画のいいところ。合間、簡単に出来てしまう「紙」のフローチャートなどで、科学の素人でも難しさのレベルがわかる。

 (紙は2世紀初頭、中国で宦官の蔡倫が発明したとされる。寺田隆信「物語中国の歴史」90ページによると、蔡倫は紙の発明者というよりも、従来からあった製紙法を改良した人らしい。)
 また、科学万能な主人公がすべてを解決するのではなく、クロムといったわき役の成長も見どころ(マグマのような悪人も、成長してる?)。

 追記。そうそう、ゆずりはの髪は司に切られてショートになったのに、1年後に再登場してからも、ずっとショートのまま。ロングよりショートが気に入ったのか・・・?