見た。
今まで噛ませ犬に見えたカブルーくんが、ダンジョンと周辺地域の関係を丁寧に説明してくれた。
アニメではカットされていたけど、ノームのタンス爺さんも、領主の館に赴いたとき「来るたび豪奢になっとるな、ここは。迷宮の発見以前には、下男のひとりもいなかった」(4巻、9ページ)と言っている。
ダンジョンの財宝目当てに冒険者が集まり、周りの宿屋・酒場、物売りが潤う…。一種のゴールドラッシュである。
ダンジョンを鉱山開発に読み換えると、リアル世界史において、スペイン帝国の最盛期を支えたポトシ銀山(南米、現在のボリビア)、中~近世日本のゴールドラッシュだった石見銀山や佐渡金山も、のちのち採り尽くして閉鎖した。
※まぁスペインは、後先考えない経済政策もまずかったようだけど、銀が枯渇する前からイギリス&オランダの海賊にスペイン船が襲撃されて、弱体化したらしい。
しかも「海賊」とは、国にとって用済みとなった後の認定であり、当時はイギリス政府がバックアップしてスペイン潰しを狙ったってんだから。
「fate」シリーズで、最も有名なイギリス海賊・ドレークが美女化されたりしたせいか、「汚いイギリス」の歴史ネタがオタクに浸透している。
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カブルーは、いずれダンジョン内の財宝が枯渇し、冒険者がいなくなり、地上・周辺地域にモンスターがあふれ出すという。
リアルな衰退要素に、モンスター被害まで付いてくるんかい! これはやべーな、ダンジョン。
ライオスたちが、モンスターを全部飯にして食ってくれたら解決するかもしれませんね。
ん、これ無茶振りじゃなくて、本当に話がそれ系の落としどころになる…?(マルシルのダンジョン研究も、"才女"の道楽ではなく「役立てるため」といっていた)
他の人の感想では、(きもいくらい)モンスターに精通し、モンスターの好きなライオスに対し、(きもいくらい)人間観察力があり、人間が好きなカブルーという対比が言われていた。
ついでに、ダンジョンを「害悪」とだけ考えるカブルーは、マルシルとの対比でもありそう。
追記。スペイン帝国の財政破綻
この点については、ソール「帳簿の世界史」の第4章が興味深い。
スペインは近代的な会計システム確立が頓挫し、オランダとイギリスは成功した。