アニメ「ダンジョン飯」、制作スタッフのポストによると、残り2回とのこと。
原作漫画でいえば、全14巻中、8巻の始まりくらいで終わる。ゆえに最終回は、「俺たちのダンジョン飯はまだ続く」的に締めると思われる。
それはそれとして、原作既読勢としてネタバレを避けつつ言うと、アニメ版22話で語られ始めたセンシの過去エピソードは、重要かつ質が高い。
序盤は、女の子感覚で魔物食をいやいやダンスするマルシルを面白がったりぃのギャグに見せつつ、途中からダークファンタジー要素が入り、センシの過去回で、シリアスでありつつ「ダンジョン飯」というタイトルに偽り無し、と改めて示される。
見事な構成。
そもそもダンジョン冒険者には「目的」がある。
作中でもひときわ人間観察力に優れたカブルーによると、たいていは財宝目当てのゴロツキレベルで、たかが知れているのだが、中にはライオスのように魔物への異常な興味関心、マルシルのように研究目的、タンスのように調査、島主への政治的協力で潜る者もいる。
では、センシはなぜダンジョンに?
※ここからは原作漫画を読んだ感想。アニメ勢は、一応ネタバレ注意。
センシは魔法を嫌いつつ、ダンジョンに潜り続ける矛盾だらけの言動をしている。マルシルの「ダンジョンだって魔法で出来ているのよ」という正論に対し、「聞こえんな~」と、もうただの意固地なおじさん。
また、宝虫からより分けた宝石を(宝石だと伝えず)ポイっと捨てたような、金品財宝に頓着しない、非常に世間とずれた価値観と生き方。(金目的ではないマルシルも、ただのゴミみてーな扱いにビックリ。当たり前だけど)
ほほえましかったそれまでが嘘のように、センシの過去回想によって、「その気持ち、分かるよ…」ってなるんで、すごく、すごいです。
比ゆ的に言えば、彼もダンジョンに魂を縛られた存在だった。
直感的・経験的に、ダンジョンで生き残るため金欲を捨て、一心不乱、ただ魔物食に取り組む人生を選択した。
あぁダンジョン飯…。