馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

日本では、馬券の「代行購入(業)」が違法だけど、イギリスでは民間ブックメーカーが荒稼ぎ…?

inunohibi.hatenablog.com

 余談だが、特殊なのが勝ち馬投票券、つまり競馬の馬券で、代行購入(業)は競馬法第31条で厳しく禁止されている。

 これは競馬界用語でいう「ノミ(呑み)行為」「ノミ屋」を防ぐためだ。
 当たりそうにない馬券依頼の代金を着服し、自分の金にするのがノミ行為。それを、組織的・常習的にやっているのがノミ屋。

 もっとも、呑んだ馬券の馬が来てしまった場合、自腹で払戻金を払う(そうでなければノミ屋を続けられない)ので、リスキーな違法行為(結局ギャンブル…)なんだが。

JRAからのお願い・ご注意 JRA

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000158

www.umameshi.com

www.just-research.com

 ところで、ノミ行為違法は、世界でも特殊な法律のようだ。

 欧米ではそもそもギャンブルが合法なので、ノーベル賞の発表が近くなると、勝手にブックメーカーが受賞者が誰か賭けの対象にしたり、あらゆる賭博行為が行われている。
 もちろん代行購入業も合法。どころか、精度の高い予想家を雇って、集めた金で馬券収支を黒字にしようとする民間ブックメーカー(賭博事業者)がいくつも存在する。
 競馬版信託投資かな?

 

 実はイギリスのような競馬大国は、(人口規模を等しくすると)日本とそん色ない馬券売り上げを誇っている。
 が、売り上げのほとんどはこういう民間ブックメーカーに吸われてしまい、レースの主催者・運営者に利益が行かないという、恐ろしくひどい状況になっている。

 ではイギリス競馬はどうやって収益を維持しているかというと、もっぱらレースの映像放映権や、スポンサー収入に頼っているらしい。(詳しくは石川ワタル石川ワタル、世界をワタル」206~220ページを参照)