馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

アジア・太平洋戦争の結果と、日米関係の運命。

  12月8日は、日本軍の真珠湾攻撃(とマレー半島のコタバル上陸)の日、アジア・太平洋戦争が始まった日である。
 稲田朋美議員だっただろうか、当時の日本を、「戦わなければアメリカの植民地になっていた」といっていた。ねちっこい左翼批判で有名な田山たかし氏も言っていた(今はアカウントが停止されているようだ)。
 おかしい。だったら日本は戦争に負けたんだから、アメリカの植民地になったはずだ。あ、在日米軍基地が部分的な植民地なんだね。

 

 「あの戦争」については、様々な論点についてすでに語ってきたが、まだ考えてなかったことを一つ書く。太平洋戦争を「避けられない戦争だった」と擁護したいものにとっては、要するに「自衛戦争だった」「アメリカが悪い」という言い訳が目立つ。
 その主張を肯定しなくても、日本のようなミドルパワー(中くらい)の国にとって、アメリカのような超大国の出方が、国運を左右するほど重要であることは痛感する。擁護論者の言っていることでは、結局ローズヴェルトのような日本に厳しい大統領がアメリカ人によって選ばれれば、日本は破滅するということである。

 戦前に生まれ、晩年は保守派に転じた故・清水幾多郎も、「日本はアメリカに頼っているが、アメリカがそんなに日本のために行動してくれるのか」というジレンマに悩んでいた。

 最近では、トランプ大統領在日米軍の費用負担を日本に対して強く求めているらしい。

 

 アメリカの原爆投下には、日本人への蔑視、人種差別意識があったという者もいる。おそらくそうだろう。今でも心の底では、見下しているかもしれない。
 米軍基地を日本の法律対象外にする、つまり治外法権にする日米地位協定も、幕末の不平等条約のように日本を見下して、差別している表れなんじゃないかな。

 原爆投下がちゃんと反省されたり、日米地位協定が改められれば、日本にとってアメリカも信用できる国になるのだが。