最終回はやっぱり、金栗四三が54年ぶりのストックホルムでゴールするというエピソードだった。この実話を初めて知った時から、「あぁ、これは最終回あたりで使われるな」と思ったね。そして、「止まった時計」など、小道具が象徴的に意味するエピソードのつながりも見事。
国旗担当であった吹浦さんは、北ローデシアが10月24日午前0時を以て独立、ザンビアとなることを事前に知っていた。国旗のデザインはイギリスから聞き、密かに準備を進め、独立を確認した閉会式当日の午前6時、選手村宿舎にザンビア国旗を持ち込んだ。都合よく国旗が現れた訳ではなかった。 #いだてん pic.twitter.com/N5VEaORNde
— 酒上小琴【サケノウエノコゴト】 (@raizou5th) 2019年12月15日
独立したばかりのザンビア国旗を用意できたのは、「あったよ、ザンビアの国旗が!」「でかした!」という彼岸島的スピードご都合展開ではなく、ちゃんと用意してたからなのか・・・。オリンピックにまつわる史実が凄いじゃんね~。
最初に「いだてん」を聞いたときは、「オリンピックでどうやって大河ドラマを作るんだ」と冷ややかに思っていたが、結果、圧倒的好評の中でゴールした。
皆が言うように脚本や演技も練り込まれていたが、個人的に何よりもすごかったのは、オリンピックにまつわる「事実」の力だった。ときどき1時間か2時間くらいの特集番組でも裏話をやっていたりするけれど、「いだてん」は1年かけたからこそ、「そうだったのか」という新鮮な情報が多かった。
時代が近いから残っているというのもあるが、実際の記録映像をはさんだのもうまかった。