馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

か、勘違いしないでよね! たまたま運が良かっただけなんだからね!

 そういえば、毎年この時期になるとノーベル賞各賞が発表され、韓国の新聞は「韓国人が(平和賞以外)なぜ取れない!」と嘆く記事を載せるのが定番だった。

 私も前は、「韓国社会は上下関係が厳しいから…。権威主義が、若手研究者の個性をつぶしているんじゃないか」などとも考えていたが、「なぜ取れない」と嘆くこと自体が、的外れだと全面的に考えるようになった。
 ノーベル賞を受章した研究者の多くは、「狙って取れるものではない」と語るし、「たまたま実を結んだ」「運よく結果が出た」という人もいる。そうであれば、取れない理由も簡単。「たまたま実を結ばない」とか「運悪く結果が出ない」というだけかな。
 新発見や理論の完成に至らず、賞までいかなくとも、後の研究者に重要なヒントを残したタイプの研究者もいる。当たり前だが、ノーベル賞がすべてではない。

 
 日本も不思議な国といえる。年々研究予算が減らされているのに、イグ・ノーベル賞を13年連続受賞、といった不滅の記録がある。(ノーベル賞よりも、イグ・ノーベル賞の方が、新しい研究を早く評価する傾向があるので、近年の状況を測れる。)日本人研究者に独創性があることは間違いないが、これで政府が「うっひょー! 予算を減らしても賞は取れるナリ~」などと勘違いしてほしくない。

 関連記事

李氏朝鮮に学べ。余談を追記。 - 犬沼トラノオ日記