馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

どこで起きてもおかしくない手抜き工事、建設業の現状。各業界での人手不足、教員不足との類似性。

mainichi.jp

 ブラックな建設業界に見切りをつけ、報酬のいい仕事に転じた中年男性に取材した記事。↓

 これを読めば、先日和歌山で発覚した、大規模手抜き工事の背景や構造が見えてくるよ。

www.asahi.com

 “「俺は元請けにも国にも大事にされてこなかった。いまさら人手不足だから助けてくれと言われてもな。(以下略)」”

 ミクロ(個々の労働者)でこういう例が積み重なり、マクロでああなった。
 現場の人員も、チェックする役所(自治体)の人材もスカスカだから、スカスカ工事になってしまう。

すでに見えている大阪・関西万博の失敗(の可能性)

 「どうして、大阪・関西万博の工事費が膨れ上がってしまうの?」ってのも、要するに同じ。
 そこで無理矢理期日に間に合わせようとしたら、企業がビッグモーター、あるいはダイハツ化する。「不正、偽装で表面的にごまかし、間に合ったことにする」だけ。

 

 関西万博は、発案したメンツに問題があった。問題あるからこそ、発案されたというか。

 まず、維新の会元代表橋下徹氏、前代表・松井一郎氏、元経済企画庁長官・エコノミスト堺屋太一氏、3名の話で決まったらしい。
 橋下氏はもともと弁護士であり、テレビ出演で知名度を高めた、まぁタレント政治家。故・堺屋氏は、70年大阪万博に経済官僚としてかかわっていた人で、「過去の成功体験にとらわれていた」面は否めない。

 故人に鞭を打つようであるが…、人格と関係ない政策論で遠慮してはいけないので、ツイート(ポスト)させていただく。
 「大阪よ、再び日本の中心たれ。堺屋太一さんが大阪2025に込めた思い」

www.fujingaho.jp

 夢や希望が存分に語られていても、現場および現状を知らないというか、マルクスで言う下部構造なり、生産力&生産関係を見ていなかった。

よく報じられる、教員不足問題との類似性

 今や、学校教師の労働環境と、教員不足は、見て見ぬふりできない問題。
 教師になれるのは比較的インテリで、比較的書き物が得意なためか、「教師のバトン」とか始まったら、ワッと過酷な実態の報告合戦になった。(それ以前から、ちらほらあった。が、格好のタグが出来たのは大きい)

 これに比べると肉体労働、つまりガテン系で、高齢者も多い建設業は、SNS進出が遅れた。
 さっさと国土交通省経産省? 省庁が「建設業のバトン」を企画して、悲惨な実態を世間に伝えるべきだった。(ブラックジョーク)
 時すでに遅し。