馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

架空の中世ファンタジーのみならず、リアルの中世ヨーロッパでも、色恋沙汰で歴史が動いた例。

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 クズキャラという括りじゃないでしょうけど、「聖魔」でジャハナ王国の家臣・カーライルが、「イシュメア女王に恋していたから」という超個人的な理由で、国を巻き添えにする反乱を起こしたのは、「うわぁ、ちっせぇな…」と思いましたね。(ヨシュアVSケセルダ戦が激熱なのに、これはちょっと…)

 

 けども、リアルな現実の歴史でも、しばしば国王の個人的な理由で、歴史が大きく変わったりしている。

 有名どころでは、イギリス・テューダー朝のヘンリ8世国王でしょうか。
 一言で言うと、既婚者なのに美しい宮廷女官(アン・ブーリン)に恋をして、(当時)離婚を認めないカトリックと決別することになった。イギリス国教会が成立し、プロテスタントの国になって今に至る。

 ヘンリ8世は、もともとは敬虔なカトリック信徒で、ルターを批判する論文を執筆して、ローマ教皇からたたえられた過去もある。
 国王の「恋」が結果として宗派を変えさせ、ひいては一国の宗派をも揺るがした。

 

 ※背景には、カトリック勢力をつぶして国家権力を強化したいクロムウェル宰相とか、やや複雑な権力闘争があったようだけど、それをOKした最高責任者は、紛れもなくヘンリ8世だ。
 その証拠に、晩年ヘンリとクロムウェルの関係が悪化すると、クロムウェルは処刑されている。

参考

kotobank.jp