19世紀末を舞台にした「アンデッドガール・マーダーファルス」で、馳井静句(はせい・しずく)という従者(服装は西洋式のメイドだね)が銃剣を使って戦っていたので、コトバンクでちょっと調べてみた。
(冒頭のテロップに「我々の知る明治時代とは また違う明治時代」とあるように、あくまでフィクションに対して、参考程度の話)
戦記物では、第1次~2次世界大戦でも歩兵の基本装備として見かける銃剣だけれど、
“連射式の銃が開発されると戦闘における銃剣の価値は大幅に減った。それでも第1次世界大戦,第2次世界大戦の間,柄付きの汎用ナイフとして使われた。”
とあり、メインウェポンの役割は失っていたようである。
銃剣術については、
“明治陸軍は1889年(明治22)フランス式銃剣術と日本槍術(そうじゅつ)とを組み合わせ独自の戦技を完成した。”
とあり、第1話の1897年というと、銃剣術の盛んだった時代と重なる。
おまけ。機関銃について。
ちなみに、19世紀末には、すでに実用的で高性能な機関銃(マシンガン)、および全自動連射銃の開発が進んでいたのだけれど、ウィリアム・H・マクニール「戦争の世界史(下)」によると、各国の保守的な陸軍は、部隊の機動性を重視し続け、馬がひいて行ける重さではなかった機関銃をなかなか採用しなかった、らしい(111~113ページ)。
※ただし、通俗的なイメージとは違い、日露戦争(1904~05年)のとき概して多く機関銃を所有していたのは、日本軍の方だった。(戸部良一「日本の近代9 逆説の軍隊」148ページ)