馬と鹿と

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

5・4運動から100年目の中国

 ・・・そういえば、今月は、ノモンハン事件の発生(1939年5月)から80周年だった。9月で第二次世界大戦の勃発から80年か。
 今月は、中国の5・4運動から100周年でもあった。気づかないまま、もう5月の下旬を迎えてしまった。
 ついでに、中華人民共和国の成立から70周年という節目の年で、中国では記念行事が盛り上がることだろう。しかし、日本とか、中国以外での関心は、限りなく低い。
 かつてアメリカの哲学者デューイは、5・4運動を観察して、中国の改革へのエネルギーだとか、ヨーロッパ的ではない近代国家として世界に貢献できる可能性(竹内好「日本とアジア」所収の「胡適とデューイ」を参照)を感じていた。そういったものは、すっかり共産党政府に抑圧され、停滞しているように見える。
 だけれども、日本や欧米はしばしば中国をはかりかねてきたので、今ダメになっているように見えても、実は見誤っていたと思う日が来る・・・、のだろうか。

 

日本とアジア (ちくま学芸文庫)

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