馬と鹿と野と郎の日記

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

「西郷どん」と征韓論の今昔

 今回の「西郷どん」は、歴史教科書的には「征韓論」が戦わされたときの話でした。普段見てないし、あまり興味もなかった「西郷どん」だけど、征韓論をどう描くのかは若干気になった。

 そしてやっぱり、「西郷が朝鮮と戦争を起こそうとする」風には描かれず。流れ的に仕方ないのか、それを退けようとする大久保と岩倉が悪役に。

 征韓論については、昔の定説では「西郷は朝鮮と戦争を起こそうとした」とされていたが、「そうではない」という説も出て、よくわからない。
 旧説よりも新説を取った方がよかろうし、西郷が主人公の場合、旧説だと西郷が悪い人みたいになってしまうからね。あぁしかし、最近の大河ドラマは、主人公の闇落ちも好んでやる。戊辰戦争の時の西郷どんも、ダークモードに入っていました。西郷隆盛の場合、彼に対する個人的評価は、無私、純粋、真摯で非の打ちどころのない人物だけど、戦争指揮官としては(当然)汚いこともやっているんだよね。
 さかのぼると、日清戦争に反対した勝海舟がすでに、「西郷は征韓論者ではない」といっていたそうだ。むしろ、昔はどういう理由で西郷が征韓論者だとされたのか、そっちの方が詳しい説明がなくなってわからないんだけど。

 
 西郷隆盛勝海舟については、明治から戦前のアジア論を集めた伊東昭雄編・解説「アジアと近代日本 反侵略の思想と運動」を持っている。この本には、西郷が江華島事件を批判した書簡が収録されている。
 1973年に西郷隆盛は大久保、岩倉たちと意見対立した結果下野し、大久保たちの新政府は、75年に江華島事件(日本政府が朝鮮半島江華島に軍艦で出かけて行って、もめ事を起こした結果、朝鮮王朝に不平等条約を押し付けた)を起こす。