馬と鹿と

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

洋の東西が合体した素晴らしいストーリー、映像センス、そんで、ある方面でも合体(意味深)する…? 「アンデッドガール・マーダーファルス」7話の感想。

 続きが気になるから、すぐに見たんだけれど、情報量が多いんで、一呼吸間を置いて感想を書いた。

 ホームズにルパン、「架空のスーパースター大集合」の中でも決して埋没せず、アンデッド、首だけ、といった自身の持ち味(?)を活かして仕込んでいたアヤ。
 さすが主人公、俺たち…というか人間には絶対できないことをやってのける、そこに痺れる憧れるぅ!

 

 それとは別に、「石川五右衛門」を素材にした落語の一席「釜泥」という、本人たちが意識したのかどうかは知らんけど、「西洋の大泥棒には、日本の大泥棒ネタで対抗」って東西対決も面白い。

 ルパンの変装がホームズにばれて、一旦拘束されてから脱出した方法は、怪人ファントムことエリックが「結局煙幕か」とやや呆れていた(ように聞こえる)、ベタな手口だったけど、ルパンがダイヤをもって華麗に、飛ぶように走って逃げるシーン、ここが実にいい。
 セリフでは、真打津軽が「釜泥」を講じ始め、ルパンの背景にイメージ映像として、日本のお城がせりあがってくる。
 それは暗い夜に赤の配色という、花札で見るような和風の映像であり、視覚的にも洋の東西が混ぜ込まれていた。


 従者の静句さんは、キツネ顔の東洋美人と言った顔立ち。
 一方、今話で対峙したモリアーティ教授の一味、カーミラは、毒々しい濃いメイクに、露出過多でボンキュッボンの体型という、ベタベタな西洋的悪女・美人。
 対照的なこの二人、OP映像の終わりでは、なまめかしいシルエットで重なったりしてるんですけど、まさか、そっち方面もカバーしてる作品なんでしょうか。

 (カーミラは、屋敷の隅でガタガタ震えていた若い女性メイドに舌なめずりして近寄ったり、多様性の尊重と特に関係のないレズキャラ)

 

 原作未読っすけれど、ストーリーの面白さは、原作小説の力なんでしょう。映像センスの良さは、アニメスタッフの工夫と頑張りですかね。
 最初は「暗い話なのかな」と思ったけれど、まさかコミカルでおふざけも満載のエンタメ作だったとは。