馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

「俺たちの天下取りはこれからだ!」大河ドラマ「麒麟がくる」第一部、完。

 染谷信長が「誰もわしを褒めてくれない…」といって、「帰蝶様がほめてくださるではないですか」って光秀が言うのに、「帰蝶はなんでも褒める…」とこれはこれで嬉しくない様子。

 めんどくせーな。キモオタなら「ママ~」って甘えるのに。

 
 碇シンジ君であると同時に、無邪気にバブってオギャれない信長とか、斬新すぎる信長像だわ…。

アニメ感想、『ポケットモンスター ソード・シールド』「薄明の翼」第5話「秘書」。

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 ローズがオリーヴに向けて言ったセリフ「こんなところに原石が眠っていたとはね~」。
 ポケモン研究者としての才能を指しているんだけど、作劇的二重の意味として、「こんなところに魅力的な女性がいたとは」という意味が入っている。
 また、メイクやファッションが別人のようにあか抜けても、「昔と変わらない自分(オリーヴ)」が愛されているというロマンス感ある構成で、短い時間の中で素晴らしく完成度が高い。

電通という仮面の下が丸見えの仮面舞踏会(「陽水の快楽」から…)。

 昔からインターネット世界では、「電通の陰謀」というのが、まことしやかに語られていた。しかし、安倍政権(広く言えば自民党)こそが電通と癒着していた。

 まぁほとんどの人が気付いていたのに、支持者は見て見ぬふりをしてきただけ。

 

 かつて竹田青嗣「陽水の快楽」は、井上陽水の歌が、消費社会・高度情報化社会の作り出すモードの空虚さを知りつつ、けれども楽しんでしまう陶酔感を表現している、と分析した。
 ラフな言葉でいえば、バブル期くらいの若者には、「踊らされていると分かっていて踊る」というノリのがあったようだ。
 それから30年くらいたって、平均的若者は貧しくなったのに、電通は一流企業のまま。
 電通に対して、ネットで語られることが幼稚な陰謀論だったとしても、「電通とともに社会が豊かになるのではなく、電通など一部の大企業だけが富を得ている」というのは、ある程度事実になっている。
 「百日後に死ぬワニ」が激しく叩かれたたように、電通の「陰に隠れながら仕掛ける」という手法(広告代理店の仮面舞踏会)が、すっかり嫌われている。

 もう時代とズレちゃってるんだけど、たぶん電通幹部は気付いていない。それと癒着している自民党も…。

 

 

 

 

レディー・ガガさんが日本の被災地支援をして、トランプ大統領を批判するわけ。

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 ちなみに、レディー・ガガさんは、東日本大震災に際してチャリティーグッズを販売して、その売り上げを被災地に寄付し、個人資産からも寄付している。

Lady Gaga Japan [The Cure] | レディー・ガガファンサイト

 日本のネット右翼がしばしば見落としていることだけど、ガガさんのような世界的アーティストが日本を支援するというのは、「国内外の多様性を尊重する。違う国や異なる人種を尊重する」という文脈があるんだ。
 だから、アメリカ中心で物事を考え、移民を排斥し、国内の白人至上主義者を勢いづかせるトランプ大統領は批判の対象となる。
 ところが日本では、アメリカの利益を第一に考えているため米軍の駐留経費も吊り上げようとしているトランプ大統領の方が、ネット右翼に評価される、という倒錯した事態になっている。名誉白人気分ということだろうか。

 

 マイノリティーの権利というのは、選挙で守れるかどうか分からない。選挙だけなら、多数決でしかないから。何かというと「私は選挙で選ばれた大統領だ」と自身を正当化してきたトランプ政治が、ついに限界に達した。

安倍総理は辞任してください。

 (「辞任しろ」というタグがすでに出回っているけど、言葉遣いが乱暴なだけで「見たくない」という人がいるので。)

 
 公務員の定年延長見直し。「コロナで雇用情勢が悪化したから」って、めちゃくちゃな理由だよ。経済が悪くなるなんて、数週間前、いや数か月前からわかっていたことじゃない。取ってつけたような理由。
 とはいえ、最近の安倍政権が、GDPや雇用が急速に悪化していることを、必死に「コロナのせい」といってることの集大成にはなっている。

 安倍総理は、旧民主党議員の質問に対して、「民主党政権の頃よりも、有効求人倍率が~雇用が~」といって自分の成果をアピールするのが好きだった。

 民主党時代には、東日本大震災とか、大変なことがいろいろあったわけだが、「災害のせいにするな」ということ自体は正しい。
 災害対応も含めて、政治家は結果責任を引き受けなければならない。しかし今回の新型コロナ流行で、すっかり安倍総理は責任逃れに終始している。

 

 「休業補償が足りない」と、ニュースでよく言われている。

 SNSでは、自分や知人の経験を基に、「阪神大震災の時は何の補償もなかったのに…」「就職氷河期世代は何の救済もなかったのに…」という人がちらほらいた。

 恨めしい気持ちはわかるが、私は素直に「その間、市民の意識が進歩した」と受け止めている。
 政治が何も進歩しなくていいなら、政府職員は前例をデータとして詰め込んだAIでもできるはずだ。
 人間が政治をやるから、新型コロナのような「スペイン風邪」以来(つまり100年ぶり)の危機に際し、決断ができなければいけない。

ジャンプとアンケート至上主義の功罪。

inunohibi.hatenablog.com

 ところで、週刊少年ジャンプといえば、アンケート結果が連載の継続か打ち切りか、すべてを決める「アンケート至上主義」で有名。

 昔読んだ話によると、少年マガジンではアンケート結果と編集部の合議による総合的な判断で決まり、少年サンデーでは編集部の判断が重視されるらしい。
 この過酷なジャンプ方式は、有望な新人をつぶしたり、面白くなりそうな漫画を容赦なく終わらせてきたことから、批判も多かった。一方で、編集者の好みといった主観が入り込まない、という長所がある。
 マガジンやサンデーのように(というか、ジャンプ以外ほとんどそうらしいが)編集部が総合的に判断するということは、編集者のセンスが古くなれば、つまらないとかダサくなった作品も生き残り続けるということ。
 ジャンプは結構な数の新人をつぶしてきたが、それ以上に新人発掘に成功している。一方、(特に)サンデーは、ベテランが強すぎて誌面に新しさがない。
 だからジャンプは、韓国ドラマ的というか、ハリウッド的。