馬と鹿と

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

軽減税率という公明党の懲りない人たち

www.komei.or.jp

 公明党は、ホームページから読める公約で、懲りずに軽減税率の導入を訴えている。対象品目については、「飲食料品等」といってサラリと済ませ、詳しいことは書かれていない。
 前に軽減税率で自民党と合意したときは、「食料品と新聞」という中途半端な範囲で、また、新聞を突然ぶち込んできたことが大いに批判を浴びた。
 自民と公明が過半数を制したら、どうせまた財務省との綱引きでそういうことになるんだろうな。光熱費も、ガス代も、水道代も負担が増えて、貧乏人は食料品と新聞だけで暮らそう、というのが自公政権が押し付けるライフスタイルだ。
 創価学会の信者は、聖教新聞と麦飯だけあれば生きていけるのかもしれない。温かいお湯の風呂に入れなくても、国家に忠誠を尽くす臣民を錬成するのが、自民・公明の「人づくり革命」アンド「人間革命」。ジョージ・オーウェル「1984年」みたいな監視社会にしなくても、政府は軽減税率の対象品目を調整することで、国民の日常生活をコントロールできる。

立憲民主党というラストチャンス

 枝野幸男氏ら、民進党のリベラル系議員が、勝手に希望の党と合流した奴らを見限って新党・立憲民主党を立ち上げた。小選挙区制では、周知のとおり死票が多く出るので、中小政党は勝ちにくい。
 小選挙区制の時代に、党を割るのは強さではなく弱さの表れとみられる。ケインズに言う「美人投票」のように、リベラルな有権者が「支持したい政党」ではなく、「自民党に勝てそうな政党」に流れる場合、立憲民主党にどこまで票が集まるか。
 それでもこれは、旧民主党が再生するチャンスだろう。旧民主党とは、「自民党政権交代可能な政党を作る」という一点で、右派から左派まで幅広く集まった寄り合い所帯だった。だから自民党の批判はできるが、自らが政策の方向性をはっきり示そうとすると、右派と左派の合意ができず、中途半端になってしまう。
 一時期は、自民党にうんざりした市民によって政権与党の座に就いたが、それ以降は寄り合い所帯の悪さばかり露呈している。
 誰もが「自民党の批判」だけの民進党にうんざりしていた。だから自民党の総得票数が低迷するなかでも、民進党の支持はそれ以上に破滅的に低かった。民進の保守派が希望の党に流れ、ある程度思想的方向性の一致するリベラル系で再結成した立憲民主党は、今こそ政策を前面に推していくしかない。
 ぶっちゃけ、できたばかりで今回の選挙は準備期間が短すぎるので、立憲民主党は伸びないだろう。社民や共産との連携のように、左派勢力で選挙協力できるのなら、選挙に弱い中小政党でも、ある程度持ちこたえられるかもしれない。その間に、定着させることができるか。「ラストチャンス」を生かせるのか。

アニメ「魔法陣グルグル」第12話 感想

 コパール王国編終了。
 ニケが火の剣をマスターし、ほら話の「目玉焼(サニーサイドアップ)」を現実のものにする。普通ならご都合主義展開になるところを、ばっちり伏線を回収しているので、「それが勇者」とオチが付く力技。ちゃんと笑えるし、ギャグとシリアスが両立していて、このころの衛藤ヒロユキ先生は絶好調だった。
 何気にニケが、はじめて勇者らしい活躍をしていると思う。これまでは、ノコギリ山でカセギゴールドのトドメを刺したくらいで、決め手はいつもククリのグルグルだった。
 衛藤氏は、巻末のおまけ漫画や、「グルグルランド」の楽屋話を読むと、「計算して描いてない」ということをしきりに語っている。
 一方で、トマとアダムスキーの新アイテムが未完成に終わるし、ルンルンがニケとククリのもとにやってきた理由は結局何だったんだのか、よくわからない。計算していないのは本当なんだろうな。それがはまる時はすごいはまる。
 アニメについては、ククリがすそを踏んでジュジュがフォローするシーンがなくなったので、「クーちゃん」と言い出すのが唐突だった以外は、まぁ良かった。

たつき監督降板騒動

www.nikkei.com

 KADOKAWA傘下のドワンゴがニコニコニュースのランキングを操作しているのは今更驚かないが、ツイッターのおすすめトレンドまで操作されているっぽい。自由の国アメリカの企業Twitter社が、ショボい火消し工作のお先棒を担ぐなんて恥ずかしくないの?
 最近の凍結騒動といい、ツイッターは末期症状ではないのか。「深刻にとらえなくていい」という人もいる。ひとつのSNSがダメになれば、他のSNSが勃興する。それが自由市場の自由競争。資本主義の総本山アメリカの企業で、そのことを知らないはずがない。
 アニメ業界では昔から、「ダメな経営陣」の話は絶えなかった。「機動戦士ガンダム」通称ファーストガンダムでは、スーパー兵器のRX-78と空母ホワイトベースが、ろくな補給もなく連戦させられ、味方であるはずの連邦軍の腐敗とブラック体質が描かれる。
 富野由悠季監督は、「作中のホワイトベースと司令部は、セル画を超えた部分。実際の制作現場と上層部の関係」みたいなことを言ってた(別冊宝島のアニメ本のインタビューだったと思う)。

負けないヒトラー、ナチ・ドイツ

headlines.yahoo.co.jp

 この麻生発言を問題視するどころか、「難民にまぎれたテロリストがいるのは事実」と暗に支持したがるような人権感覚のマヒした極右に、いまさら期待するものは何もない。

 「安倍政権には問題あるかもしれないけど、今は景気も良くなっているし・・・」と消極的に支持する国民はどう見るか。
 麻生太郎氏の「失言」を、かるたのように並べてめくれば、誤解を招きようもなく、真意が伝わってくる。つまり、ナチスの手口をまねて、憲法を停止したり基本的人権を制限し、結果は間違っていたが動機は正しいヒトラーのように、武装難民、テロリスト予備軍の難民を収容するか、射殺しよう、ということだ。
 「第二次世界大戦の日本やドイツは、ちょっとばかり間違って敗戦という結果になり、欧米と中国に悪のレッテルを張られた。我々は今度こそ、もうちょっとうまくやろうじゃないか。戦争に負けない、アメリカを敵に回さない排外主義を・・・」