更新ちょっと間が開いた。最近はネタ切れと、さすがに情熱の低下があって・・・。
「最後の第4回。ネタバレ。」以降が新しい文章。
補足。
詳しくは実際にはしがきを読んでもらった方が早いのだが、まずエーコが手に取ったのは、ラテン語で書かれた14世紀のアドソの手記を忠実に復元した1600年代のJ・マビヨン師なる人の版に基づいた、修道院長ヴァレなるものの手によるフランス語翻訳版である。
ところがエーコが訳文を書き溜めたノートとは別に、旅の途中の混乱で、ヴァレ版を「親しい人物」に持ち去られてしまった(詳細は不明)。そしてヴァレが一冊でも本を書いたという記録、修道院の印刷機すら確認できなかったが、また全く別の本(これもまた、訳書で原本は不明)から、アドソの手記の引用を多数発見した。
そのため、おそらくアドソの手記は実在したはずだ。ただし、ヴァレ版は後年の知識に基づいた加筆修正も多い。・・・という恐ろしく込み入った設定になっている。