馬と鹿と

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

23周年記念。「封印の剣」は、「トラキア776」の何を取って何を捨てたか。

 つい先日、「封印の剣」が「23周年」を迎えたらしい。

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 同作に対しては、「『トラキア776』までに複雑化したシステムを、再びシンプル化し、若いユーザーを取り込むことに成功した」「一方で、ゲームバランスは(まだ)粗削り」という評価が定着している。

 

 私なりにまとめると、「トラナナ」までの進化と実験を取捨選択し、意義のあるものは残し、無いものは廃止する調整を行っていた。
 騎馬・飛行クラスの「城内だと、乗り物から降りなければいけない」システムを廃止。
 体格パラメータによる、いかつい大男にも長所のあるゲーム性を継承。
 「かつぐ」をもっと使いやすくした「救出」。
 マムクートの射程弱体化。

 

 ストーリー面では、美男美女、王侯貴族ばかりの仲間ユニット見直しが引き継がれ、多彩なキャラと、少年主人公・ロイのたくましさ(聖戦のセリスは、ごめん、たくましくなかった。成長率から後半の性能はすごかったけど)から、かつてなく「少年漫画」色が強い。

 これまでシリーズの華だった恋愛要素も、支援会話を除けば控えめ。

 「月刊少年ジャンプ」(後のジャンプSQ)で連載された「覇者の剣」も人気を博し、順調に完結するなど、様々な面で上手くいった作品である。

「粗削り」

 書いてきたことの重複を避け、「粗削り」な点を洗い直すと、スキルシステムを廃止したにもかかわらず、ソードマスターとバーサーカーの必殺ボーナスが実質「兵種スキル」になっていて、結構初見殺しだった。

 同士討ちを誘う「バサーク」といった、凶悪な状態異常杖を使う敵が、いぜん多い。
 (さすがに「烈火」で減った。外伝、最終盤、ハードモード等、出てくるマップは限られる)

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 …ちなみに、トラナナでの状態異常杖は、「聖戦の系譜」までの仕様と違って、「ターン数経過で治癒しない」「射程が無限でマップの端まで届く」という恐ろしいもので、さすがに聖戦基準の「自然回復する」「射程に限度がある(封印では魔力に依存)」ものになった。

※以下は、一応ネタバレ注意。エンディングについて

 また、「紋章の謎」以来2度目にして、現状シリーズ最後の「バッドエンド(または仮エンド)」と「真エンド」の二段階構造。
 結局、真エンドに行くのは難しい。

 一応、仮エンドでもクリア数にカウントされ、周回数に応じたおまけ要素もあるので、仮エンドで損したということはないんだけど…。
 (その点は、紋章よりも改善されている)

 

 やはり、批判や不満を受けてか、以後のシリーズ作では大胆なルート分岐があっても、「仮エンド」はなくなった。

参考動画

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