馬と鹿と

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

「三国志」(正史)に基づきながら、魅力ある人物に描こう、という情熱がすごい「真・三國無双 ORIGINS」

 「真・三國無双 ORIGINS」のストーリーが、思わぬ良さで好評を博している。

 まだネットの書き込みで見た、伝聞程度の話だけど、「FE 風花雪月」のスタッフがシナリオに関わっているらしい。
 なるほど、熱心なキャラ深掘りのストーリーが、確かに風花。

 

 「三国志」(正史)の記述をちゃんと拾っているだけでなく、魅力あるキャラ付けがすごい。

干禁が特に救われてる

 たとえば、正史「干禁伝」には、「干禁の軍を保持する態度は厳格できっちりしており、賊の財物を手に入れても個人の懐に入れることはなかった」とありつつ、「しかしながら、法律によって下を統御したからあまり兵士や民衆の心をつかめなかった」とある。

 三国志に注を書いた裴松之まで、干禁を批判している。(「正史 三国志 3」ちくま学芸文庫、225ページ)
 まー、この人は好き嫌いが激しいから…。

 伝の最後に、陳寿が記した「評にいう」(総評パート)では、「(魏の)当時のすぐれた将軍」として、干禁含む5人を挙げている。
 が、評判ほどの資料がないから「説明の記事に遺漏があ」るのだろう、としている。(同、239ページ)

 そんで、最後、関羽に降伏して延命したってことで、やけに評価が低い。

 

 こういう「資料が少ないけど、たぶんもっと活躍してた人」を救うのは、やはり創作。
 「ORIGINS」は、「こういう魅力ある人だったんじゃないかな~」といい味付けをしてます。

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