馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

策士、策に溺れる…。「機動戦士ガンダム 水星の魔女」8~9話の感想。

 見た。先週はなんか忙しくて、見るのが後回しになったし、感想を考えることもなく次やることに移ったけど、今週は書くよ。


 前回と今回、急速にミオリネとシャディクの濃い関係をぶち込んできた。

 今までシャディクというのは、いかにも、なんか企んでそうなキャラだった。フランクなしゃべり方、非常にラフな服装…。これらは、「胡散臭い」という記号だった。
 しかし、元は孤児だったそうで、大企業経営者の養子になれたのは、才能を見込まれたからだろうか。

 父親(養父)の指示に従っていろいろ探っているものの、本人が陰謀好きというわけじゃなくて、「生活のための仕事」かもしれない。
 9話で、根っこの部分はミオリネに執着する、「愛が重たい」系男子だったと判明。あれこれ考えたことが裏目に出て、「策士、策に溺れる」というオチが付く。
 また、これで2人の話が全て終わったわけじゃなく、「過去に何があったのか」と視聴者に気になるポイントを残していった。

 

 バトルの方も良かったな。これまでと同じく、まず動きの作画が良いし、スレた視聴者に「まぁた決闘で解決? マンネリだな~」と思わせたところで、これまで描かれたことのない「チーム戦」に持って行った。
 まぁ、ほとんどはエアリアルが「なんかに覚醒」で無双する、いつもの展開だったけど、最後はティル&リリッケのアシストから、チュチュのスナイパーショットで勝つ。

dic.pixiv.net

 それだけに、ミオリネの「結局あんたは他人を信じてないのよ」という冷たい評価が、シャディクに重くのしかかる。

 

 ところで、8話の終わりの方で、シャディクを囲むように大量の女性キャラが現れて、ギョッとしたが、まぁシャディクのハーレムとか、そんなんじゃないだろうな、と思わせて、やっぱそんなんじゃなかった。
 ミオリネに対する重さとは違って、終始フラットなまま接していたし、親の企業を通したビジネス的な関係ですかねぇ。
 しかし、これでシャディクは「特定の女の子(ヒロイン)に対して感情が重たいイケメン男子」という、少女漫画の王道というかテンプレになっていた。