馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

ウマ娘とコラボした「number(ナンバー)」最新号。読んでジョジョ第3部のラスト並みに感動した。

 ウマ娘を紹介すること自体は、ウェブ配信記事(無料版)で何度もあったし、去年秋の「名牝特集」では、「ウマ娘で名牝対決はどう描かれたか」という体で、(ウマ娘の)ウオッカダイワスカーレットを2ページやっていた。

 しかし今回のコラボは、そういう「普通の記事」と毛色が違っていて、”ウマ娘の”キタサンブラックセイウンスカイにインタビューし、”ウマ娘の”シービーやルドルフらが座談会をしている。(…という設定で書いている)
 普段の記事と区別するため、コラボ部分は、ウマ娘の書き下ろしイラストが載る裏表紙から、つまり後ろからページが進む横書き構成。

 

 その中で唯一、元馬、本物・ナリタトップロードの主戦騎手だった渡辺薫彦氏に、当時のことを語ってもらっている(一応ウマ娘のことも聞いているんだけど)。
 なんで? 
 おそらく、「number」表表紙のテーマが「個性派たちの秋競馬 常識を疑え。」なので、別に常識破りというわけじゃなかったトプロと渡辺元騎手(現調教師)が、ウマ娘コラボの方に組み込まれたとか…。考えすぎかな。

さて、内容の感想。

 数々の癖馬に乗ってきた池添謙一騎手を、私ふくむ一部のファンはネタ的に面白がっていた。
 けれど同誌で、オルフェーヴルに振り落とされた際右手を踏まれ、3針縫う怪我をしていたり、メイケイエールに初めて乗った時のことを「前を見てないので、どこへでも突っ込んでいってしまう。怖かったです」と振り返っていたり、騎手って本当に危険で大変なんだなぁ…、とちょっと反省した。
 
 それと、池添・渡辺両氏の話に「よき同期」「よき先輩」として出てくる幸英明騎手とか、オルフェが春天で惨敗した後に迎えた宝塚記念で、風呂で会った四位洋文元騎手(現調教師)のかっこいいセリフとか、渡辺薫彦元騎手のナリタトップロードに対する「当時は凄く野次られましたし、乗り替わりも経験しました。楽しい思い出ばかりではないですが、沢山のことを教えてくれた彼には感謝しかないです」という言葉。

 ジョジョ第3部のポルナレフみたいな感動的なこと言って…。雑誌一冊に名言がいっぱいじゃねえか…。