サイレンススズカには、「異次元の逃亡者」という異名があるけれど、最初に「逃亡者」を使った人は寺山修司かなぁ、と思った。
寺山が愛した馬の一頭に、「白い逃亡者」ホワイトフォンテン(芦毛の逃げ馬)がいた。
昔の競馬界には、なんかやたらニックネームのかっこいい馬がいて、ワイが一番好きなのは「走る精密機械」と呼ばれたトーヨーアサヒ。
まぁ、今のもいいですけどね。「漆黒の摩天楼」マンハッタンカフェとか。
「漆(うるし)」とは、装飾品に光沢を出すため、塗料として使われるもので、つまり「漆黒」は「うるしを塗ったような黒」。
他に「漆黒」と呼ばれた馬に、シンボリクリスエスがいたねぇ。(JRAヒーロー列伝での「漆黒の帝王」というコピー)
確かにカフェもボリクリも、調子が良いときは、体がテカテカと光っていた。これで500キロをゆうに超える巨漢馬だったのだから、目立たないわけがない。
カフェと言えば、親父・サンデーサイレンスに(顔が)似ていたため、SS役でドラマ出演した、というエピソードもある。
けれども、SSはかつて「見栄えのしない馬体」と言われていたし、実は馬っぷりでいうと似てないんだ。