馬と鹿と野と郎の日記

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

「マイファミリー」の最終回を見たっぺさ! (以下、最終回のネタバレを交えた全体の感想)

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 序盤は「最初に遠足に行った場所は?」といった謎かけで振り回し、「家族の絆を試す的な狂言誘拐か?」と視聴者をミスリードさせておき、また、中盤まで心春ちゃんと友果ちゃんの誘拐事件は同一犯だと、視聴者と作品内の世間やマスコミをミスリードさせておいて、実はそうではなかった。
 やっぱり「家族のキズナ」的な終わり方、話の締め方だった。その点は多くの人の予想範囲内だったろうけど、しかし、視聴者側にミスリードを仕掛け続けてきた本作は、最終回でも真犯人の用意した「東堂樹生(とどっち)と未知留が不倫していた」という偽の筋書きを見せて、「家族の絆は嘘だったのか!?」とハラハラさせる展開にしていた。やりますな~。

 

 ※しかしまぁ、SNS上の考察好きで頭のいい視聴者たちは、「吉乃・真犯人説」が当たっていたし、こんなミスリードには引っかからなかったろう。
 俺も一瞬ドキッとしたけど、すぐに犯人の手口が綿密で、防犯カメラを数分間真っ黒にした腕とか、素人の女性にできることじゃないと思った。
 あとそれから、これは俺がうっかり気付いてなくて、家族と感想をしゃべってた時に家族が言って気付いたことだけど、東堂のふりをして未知留に「逃げろ」と言ってた声も、「真犯人の亜希です」とうそを言っていた時の声も、(これまで事件で使われてきた)人工音声のままだった。
 本当に東堂樹生や亜希ならば、人工音声ではなく、自身の肉声で語ればいい。特に東堂の場合、直前の葛城刑事とのやり取りで、人工音声から肉声に切り替えていただけに、制作者側から視聴者へのヒントという意図も感じる。

 

 まぁ、発端である真犯人・吉乃が、心春ちゃんのプライベートな細かい情報を知りえた経緯(真相)は、少々強引だった。

 ただ、東堂夫婦と親密な人間だったことは確かだ。ほか、「家族の絆を試す狂言誘拐をやろうとした」「不倫をごまかすためだった」とか、これまで作品内外で推理されたことも、部分的な真実ではあった。

 嘘をつくときは、すべて作り話にするより、部分的に真実を交えた方がバレにくい――という心理テクニックはよく聞く。これを創作テクニックとしてやったのが、「マイファミリー」と言えよう。

 

 心春ちゃんの生死は、直接言及されなかったが、作中すでに葛城刑事が吉乃から聞き取った事件の全容を話すシーンで、「(犯人の想定外でケガした実咲ちゃんも)心春ちゃんのように遺棄すれば確実だったが…」といっていたし、失踪した東堂の妻・亜希は、吉乃にだけ「心春の後を追う」と伝えており、吉乃はこれで亜希が自殺し、事件は迷宮入りしたと安心していた。

 元刑事の東堂が、5年間必死で探して分からなかったのは、つまりそういうことだ。

 吉乃は、もうこはるちゃんが「無事でない」と亜希にほのめかしていたのだろう(もちろん自分が真犯人であることは隠して)。それでも「心春に会うまで死ねなかった」という証言は、おそらく所在不明(遺棄されたまま)の亡骸のことをを指している。

 

 ツイッターに投下したときの文章では、東堂に対して、あえて真実が伏せられていたため、東堂も心春ちゃんの死を知らないままでいると思っていた。
 しかし、あとで他の人の感想や考察を見ると、東堂も真相(心春の死)を察したうえで、亜希に対して「心春(の遺体)に会えたのか?」と聞いたのではないか、とあって、そっちの方がきれいな終わり方になるな、と思った。