遊郭編の最終回見たで。
原作漫画は、2年前にレンタルで読んだっきりなので、忘れていることが多い。
ネタバレというほどじゃないんで、注意無しで書くけど、召集されたアカザら上弦に対し、無惨は「そもそも毒鎌を当てた後、逃げていれば…。いや、もういい…」とつぶやいている。
合理的にはそう。特に生き延びることに執着の強い無惨様はそうだろうね。
しかしながら、「やられたらやり返す」「ツケは必ず払う」というのが妓夫太郎の根幹を成す性格で、ファンブックで無惨様が評価していたように、そのハングリー精神こそ、妓夫太郎を強くさせたといえる。
堕姫・妓夫太郎兄弟の敗北は、自然な流れだった。妓夫太郎も「(妹のこと以外)後悔はねぇ」いってるし…。
アニメで、とどめを刺そうとした侍を瞬殺した妓夫太郎を見ると、人間時代から鬼みたいな身体能力(大ジャンプ)で強いっすね。
鎌という武器もいい。ほんらい鎌は、草を刈り取ったり日常生活で使う農具であり、戦闘用に作られた刃物ではない。
大波篤司「図解近接武器」によると、鎌を武器として使った記録があるのは、農民反乱軍、つまり非正規軍であり、スキやクワと同じである。
鎌は刃が内側に付いているため、植物のような止まった対象でなく、動く人間相手になると切り裂くのが難しい(162ページ)。
一方で、西洋で「死神」のアイテムが大鎌(デスサイズ)であったように、不吉なイメージと結びつけられた。刀が侍の誇りや、工芸品として「陽」のイメージで表現されるならば、鎌は「陰」であり、妓夫太郎のキャラクター性を見事に表した武器だろう。