ウマ娘にナリタトップロードが来て、99年クラシック世代の顔ぶれがそろった。
まだ「ラスカルスズカも欲しいYO!」というファンがいたりするけど、まぁ個々人それぞれのリクエストはキリないしな…。とりあえずメンツが揃ったことにしよう。
この世代は、前後の世代と比べると様々な面で異色だった。代表はテイエムオペラオー、トプロ、メイショウドトウで、よく言われるように主戦騎手が若手であり(特に和田騎手と渡辺騎手は、オペとトプロでそれぞれG1初勝利)、馬の方も雑草や無名とまではいかなくとも、ファッショナブルな血統じゃなかった。
この世代の「逆に異色」な名馬は、父がお馴染みサンデーサイレンス、母が93年のクラシック二冠牝馬ベガ(ベガの父はトニービン)という良血馬・アドマイヤベガだろう。
主戦騎手も武豊氏で、競馬界の王道的組み合わせ。だけれども、アヤベは菊花賞後、脚の故障(繋靭帯炎)でターフを去ってしまう。
大種牡馬SSの仔は、天才だけど気まぐれだったり、素直だけどはかない馬もいた。すぐに引退したフジキセキ、アグネスタキオン、そしてサイレンススズカ…。
また、あれほど強かった98年最強世代と言えども、脚部不安に悩まされた5歳(旧6歳)のグラスワンダーや、屈腱炎から復帰後のセイウンスカイは、無惨な成績に終わった。
タキオン、クロフネ、マンハッタンカフェらの01年世代も、絶望的にもろかった。
それらに比べると、本当に(アドマイヤベガを例外として)99世代の頑丈さ、粘り強さは際立っている。
彼らは、地味な血統ゆえなるべく長く走って、引退後の種牡馬価値を引き上げる必要があったのかもしれない。が、馬の方も走ることに嫌気を起こさず、堅く上位に入る安定感があった。
ナリタトップロードの場合、「重馬場がダメ」「中山がダメ」と、ライバルのオペ・ドトウに比べれば注文が付いたものの、条件が揃えばちゃんと強かった。
今でも定期的に、地味な血統、若手の騎乗から活躍馬が出て、ファンを沸かせている。けれども、世代丸ごと「地味」「若手」という点で、稀有な世代だったといえよう。
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