ダノンファラオがゲート内でもたついたようで、横山武史騎手が座り直して、スタートにやや時間がかかった。その間、先に入っていたソダシが、首を上下に振って落ち着かない様子を見せていた。
スタートしてからは、これまでの勝ちパターン同様先行して、気分良く走っているように見えたソダシ。が、4コーナーを回ってからは、見せ場なく敗れた。
ダート向いてなかったんっすかねー。親父(#クロフネ)のようにはいかなかった…。(安藤勝己元騎手は、ダート適性よりも、「秋華賞の負け方が悪かったのをそのまま引きずっとる感じ」と分析)
ソダシはプランどおりの運びやったと思う。ダート適性云々やなくて馬がレースで走りたくないのかもしれない。秋華賞の負け方が悪かったのをそのまま引きずっとる感じ。調教はやれば動くで、陣営の負けたくないってプレッシャーが伝わってしまった可能性がある。馬体重以上に細く映ったのはそこかもね。
— 安藤勝己(アンカツ) (@andokatsumi) 2021年12月5日
テーオーケインズの鞍上・松山弘平騎手は、去年のデアリングタクトに続き、今年もチャンスをつかんで離さなかった。
最近の騎手界は、若手の躍進が目立つ。1番大きな理由は、去年・今年と、コロナ禍で外国人騎手の往来が制限されたことにあるだろう。ただ、そういう外部的偶発的要因だけじゃなく、コロナ前から変化の兆しが見えていた。
昔は「JRAの騎手は下手。外国人騎手の方がうまい」という証拠として、「コーナーで外に膨れる・膨れない」がよく言われていた。これは、レースを見ただけでわかることなので、プロの技術論がピンとこないファン(素人)に対しても説得力があった。
00年代から、地方騎手や外国人騎手に対する免許獲得の条件が見直されていき、非効率な規制も改善されていった。ついでに、インターネットの動画配信が加速度的に充実し、ケーブルテレビで競馬専門チャンネルと契約するほどでもないライトファンでも、簡単に海外のレースを見れるようになった。
そうなると、「コーナーで膨れる・内が開くJRA騎手」と「コーナーで膨れない・内を開けない外国の騎手」の差はごまかしようがない。
さらに、辛口の競馬ライターやホースマンの、「技術が低い」という叱責があり、外国人騎手勝ちまくりの現象が20年近く続いた。
ところが今の騎手は、ちゃんとコーナーに沿っているし、後方の馬に内を突かれることも少ない。
福永祐一騎手や和田竜二騎手の話でも、若手から中堅まで、世界の一流騎手と競う中で、一流の技術を勉強し、吸収していることが伝わってくる(藤岡佑介「ジョッキー×ジョッキー」)。
成長しとるやん!