馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

貧しくなったぜ、ニッポン。

 

 10年前の生活保護バッシングが最も激しかったころ、受給者に対して「スマホを持っている」といったつまらない、くだらない叩きがあった。

 その後10年でどうなったか。東南アジアやアフリカの庶民にもスマホが普及した。

 シリア難民、アフガニスタンの女性が、スマホのカメラ機能で自分たちの窮状を世界に発信しているのに、日本では生活保護の額を引き下げて、スマホを持てないようにした。
 スマホでもなんでも、まず持ってなければイノベーションなんて起こらん。IT教育をいくらやっても、「やってる感」で終わる。

 日本人が「貧困」のハードルを高く考えて、「貧困ではない」と考えているうちに、待遇の悪さに見切りをつけて人材流出、頭脳流出も進んでいるようだ。

 「待遇」とは、給料だけのことではない。新しいアイディアを柔軟に取り入れ、組織の風通しが良いとか、そういう数値で表現できないこともある。

 
 今の日本は、数字も悪くなったんだけど、なんか数字に表れてないところで閉塞している…。