ヒシアケボノはでかい。
名は体を表すというやつで、命名の由来も「体がでかいから曙(元横綱)」だ。担当していた厩務員など関係者も、驚きの大きさを語っていて、ウマ娘のでかさは公式といっていい。
ウマ娘のまとめブログや動画を見ていると、ヒシアケボノが「こんなにでかいのにスプリンター」といわれたり、「いや、大きい方が短距離向きなんだ」という解説コメントが付いたりする。
これは人間を見た方が分かりやすい。短距離走者は、ウサイン・ボルトをはじめとしてムキムキに鍛えているのに対し、マラソン選手は体重をしぼる。
ライスシャワーとキタサン
馬の方でも、ライスシャワーは小柄な馬だったが、そのため中距離に対応できる瞬発力がなかったんだろう。3000以上のレースでは強かった(3戦して3勝)が、それ以下になると途端に勝率が落ちた。
じゃあスーパークリーク(3歳で500キロ前後。古馬になって520を超えた大型馬)やキタサンブラック(現役最後の5歳は540台に乗った大型馬)はどうなるんだ? と思われるだろうが、あれは天皇賞・秋や大阪杯にも勝ったスピードを兼ね備えていて、ライスほど長距離に偏ってなかった。
ただし、キタサンの秋天はどしゃ降りの不良馬場(スピードの出せない馬場)で、本領が2400以上だったのは疑いない。…なんで?
俺程度にはわからないけど、馬体にも大きさ以外の要素があり、競馬記者・ノンフィクションライターの江面弘也氏は、ミホノブルボン(500キロ前後)のことを「体は筋肉質だが短距離場の体型ではない」と書いている。(「名馬を読む 2」203ページ)