今月の「100分de名著」では、フランツ・ファノンの出身地が「西インド諸島の~」と書かれていた。
「こんなインドから遠く離れたところが、なぜ“西インド”なの」と違和感を持つかもしれない(私が昔そうだった)。
アメリカ先住民(ネイティブ・アメリカン)が、長らく「インディアン(インド人)」と呼ばれていたのと同じで、例のコロンブスがうっかりちゃっかりアメリカ大陸を「インド」と誤認したことが由来。
その後、ヨーロッパ人はモノホンのインドを「東インド」と呼び、カリブ海諸島を「西インド諸島」と呼んで区別した。(ヨーロッパの世界地図では、アメリカ大陸が西に位置している)
こんな地名一つにも、ヨーロッパ中心主義が出ているね。今では「カリブ海諸島」「カリブ海地域」という呼称の方が一般的。
しかし、フランツ・ファノンを語る際には、その「西インド」の時代こそが重要なのだから、避けて通ることはできない。