馬と鹿と野と郎の日記

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

選挙権のない日本国民から見たアメリカ大統領選挙。

 日本のテレビでは、連日アメリカ大統領選の情勢が報じられているが、そこまで熱心に解説する意味はないぞ。

 そもそも日本国籍の日本国民には投票できないのだから、報道を見ても結局、「ちょっと気になる」という野次馬根性を満たすことしかできない。
 もちろん、日本の安全保障にとって、アメリカは重要な国である。ところが、変化し続ける国際情勢の中で、日本は良く言えば安定、悪く言えば停滞している国なので、日米関係も下手にいじくる必要がない。トランプ氏でもバイデン氏でも、日米関係が大きく変わるとは思えない。
 オバマ大統領の時は、対立する共和党からさんざん「弱腰外交」とののしられ、真に受けていた日本のネット右翼も「オバマはダメだ」といっていたが、そもそもアメリカの国内世論が、アフガン、イラクの手痛い経験で、軍事介入を避けるようになった。
 そして、トランプ政権ではっきりと分かったことだが、アメリカは日本のため北朝鮮その他に圧力なんかかけてくれない。「オバマがダメ」なんじゃなくて、今のアメリカの外交的選択肢がそうなっている。
 一方、今の中国は、国内の住民弾圧が深刻になり、トランプ氏もバイデン氏も、競い合うように中国への批判を口にしている。バイデン氏が大統領になっても、もはや人権問題への配慮から中国に甘い顔はできず、よくニュースで強調される「米中対立の行方」「激しさを増す米中」は、基本的に中国の出方にかかっているといえる。
 内政では、トランプ氏が経済優先、疑似科学的であり、バイデン氏がコロナ封じ込めを口にし、こっちの方が冷静で客観的な科学政策への理解がありそうだ。しかしまぁ、これこそアメリカ人の運命の話で、アメリカ人が投票で決めること。

 
 ただし、左右イデオロギー闘争の象徴として、アメリカ大統領選が代理戦争になる構図はわかる。トランプ氏が勝てば、日本の右翼はまるでアメリカの後ろ盾を得たように感じるだろうし、逆にバイデン氏なら、日本のリベラルがお墨付きを得た気分になるだろう。本当はそんなことないんだけど。
 ま、人の移動がグローバル化した時代、日本にもアメリカ国籍の住民とか結構いるだろうし、そういうマイノリティーを意識するのはいいこと。私がいいたい事は、日本の政治は、アメリカの選挙結果とかではなく、日本に暮らす人の手で帰るしかないということ。(国政選挙権はなくとも、とうぜん在日外国人にもかかわること)

 
 余談だが、欧米のことを持ち出すと「欧米出羽守」などと揶揄され、日本のネットユーザーは、欧米のことを嫌っているように見える。

 しかしそうではない。イギリスがEUから離脱し、トランプ氏が大統領選に勝利した4年前とか、 ネット右翼に「もはやリベラルは嫌われている」「ポリコレが嫌われている」という調子づいた空気が生まれたように、彼らも欧米のことはだ~い好きだし、ちくいちその動きを気にしている。

 ただ、欧米のリベラルに寄りかかるか、保守派に寄りかかるか、といった対象の違いで分かれる程度。