今朝のNHKニュースで、韓国人元BC級戦犯の戦後をやっていた。
私も昔、内海愛子氏の「戦後補償ハンドブック」で知ったけれど、彼らの扱いはいかにも日本らしい戦後処理のねじれだった。
韓国・朝鮮人元BC級戦犯の概要は、内海愛子「キムはなぜ裁かれたか」(朝日選書)の裏表紙がいいだろう。
よく言われている日韓条約で日本が出した無償3億ドルの対象に、彼ら元戦犯は入っていない。
そもそも条約の議論過程で、在日韓国人は補償対象にならなかった。二国間条約ではなく、イギリスやフランスのように元兵士に個別に支給する形をとれば、旧宗主国に在住する植民地出身者も受け取れたはずだ。(イギリスやフランスの補償自体は、褒められたものではない。)
「条約で一気に解決」という方式は、むしろ禍根を残したのだろう…。
補足。一応2000年6月に成立した法律で、元日本軍の在日外国人に対し、弔慰金等として遺族に対して260万円、生存者には合計400万円が支給された。これは一時金であり、戦後も続いた日本人への恩給に比べ、わずかな額に過ぎなかった。
なお、ここでも元戦犯への補償はなかったようで、日本人元戦犯に対する援護と、差別的な違いがある。
(その他にも、細かい歴史的経緯があり、長くなるので省略した。詳しくは内海愛子「キムはなぜ裁かれたか」第7~8章や、同著「戦後補償から考える日本とアジア」の「3 植民地出身者に対する差別的取り扱い」を参照してください。)