馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

アメリカ、民主党の候補者選び。バイデン氏とサンダース氏について。

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 ニューハンプシャー州の結果が判明する前の、朝日新聞の記事。
 アメリカ政治が専門の久保文明氏と記者が、実際に候補者の集会をのぞき、ブダジェッジ氏の人気ぶりに「最も驚いた」と語る。一方、バイデン氏については、「有権者の強いパッションが感じられない」とし、「想定よりも早い撤退の可能性」を指摘。

 

 初戦を失ったバイデン氏が、次のニューハンプシャー州でも苦戦。その前から、ニューハンプシャーのアンケートでは4位だったし、予想出来たこと。

 アメリカ人じゃない私がごちゃごちゃ言っても仕方ないんだけど、バイデン氏では大統領選を勝てないと思うし、これでいいんじゃないかな。
 バイデン氏。かつては失言癖で有名だったが、近年ではそれを克服し、オバマ政権で副大統領を務めた。しかし、副大統領になるまで時間がかかったせいか、今度は当選すれば史上最高齢ということで、健康面などを懸念されている。
 それだけならサンダース氏も同じなのだが、今アメリカ人は、安定よりも転換を求めている、と思う。だから前回の大統領選でも、(総得票数ではヒラリー氏が上回っていたらしいが)トランプ氏が当選してしまった。

 
 サンダース氏は「社会主義者」を自称しており、私たちをギョッとさせるが、政策内容はそんなに突飛でもない。国民皆保険は、日本やヨーロッパですでに当たり前のことだし、大学の無償化も、数十年前のヨーロッパ諸国では実際にやっていたらしい。
 財政赤字などを理由に、ヨーロッパでは大学の有償化が進み、自己負担の割合が増えていってしまった。とはいえ、格差への不満が高まっている現在、揺り戻しで大学の学費も下がっていくかもしれない。

 アメリカの若者がサンダース氏を強く支持していることは、明るい材料だろう。イギリスでも、コービン党首の労働党は負けたが、若者が支持していた。アメリカやイギリスの若者は、広がりすぎた貧富の格差や、高騰する学費にうんざりして、「今の資本主義はおかしい」と思っているようだ。

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 アンケート調査によれば、「社会主義を支持する」という若者もかつてなく多い。短期的には極右排外主義が伸びても、中長期的には世代交代でリベラルや左翼が復権すると信じたい。

 (また、信じるだけではなく、左翼陣営自身の研鑽も必要。)