馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

作家から大統領まで・・・。敵意をむき出しにする大人たち。

 「フルメタル・パニック!」などで有名な小説家の賀東招二氏が、グレタ・トゥーンベリ氏を嘲笑した発言で話題になっている。内容自体は醜いものだと断った上でいうが、実は、私には賀東氏のようなクリエイターがグレタさんを笑いたがる心理が分かる。
 グレタさんの言動には、別に新しさなどもなく、彼女は多くの科学者によって認められているらしい、平凡な見解を繰り返しているだけだ。そこが自分の才能、努力でのし上がったという自負を持つであろうクリエイターにとって、グレタさんがは「凡庸なのに注目を浴びている子供」といういらだちを引き起こすのだと思う。
 しかし社会問題というのは、批判に才能が必要なわけではない。ユダヤ人が強制収容所に送られるとき、「ヒトラーは悪い」とか、「人種差別をしてはいけない」ということに独創性など必要ない。
 今、現にトランプ大統領のような、グレタさんを「彼女は洗脳されている。温暖化論は陰謀だ」などという指導者もいる昨今、当たり前で平凡な科学的見解こそ重要だと思う。
 グレタさんはまだ若く、言動が未熟かもしれない。しかし、大人であるべきトランプ大統領はどうだ?

 

mainichi.jp

 ブラジルのボルソナロ大統領。軍人出身で、過去の軍事独裁政権を堂々と肯定するなど、「ブラジルのトランプ」といわれる人物。

 それにしてもグレタさん、トランプ大統領、ボルソナロ大統領と、ダメな指導者の批判を呼び込むね。これで「イギリスのトランプ」ことジョンソン首相もなんかいったら(あるいは、言ってたら)満貫だ。