馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

「鬼滅の刃」は「鬼にかかわる前から不幸」な登場人物がいてビビる。「炭治郎セラピー」だからテンプレ展開も痛くない、という話。

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 「鬼滅の刃」は大正時代の話なんだよなぁ・・・。一方で全然大正っぽくない設定もあるが。
 とはいえ、一夫多妻は現代人の価値観にそぐわないので、朝ドラ「あさが来た」では、妾のいた夫の設定が改変されている。(妻を愛しているから妾を作らない、という話に。史実では、跡継ぎを作るため、妻が妾を勧めたらしい。当時の「女傑」と、朝ドラ的な女性像の違いかも。)
 鬼滅の遊郭編は、むしろ少年漫画なのに、遊女から生まれた兄妹の不幸な過去とか、ガチな鬱話だった。「鬼に家族を殺された」とか「鬼になったせいで不幸に」というなら、「あぁ、鬼がすべて悪いんだね」ということで、鬼を倒せば漫画的な勧善懲悪が成立する。
 けど上弦の陸兄妹とか、栗花落カナヲとか、「あのー、鬼にかかわる前から不幸ですよね」という登場人物がそこそこいてビビる。本当の鬼は、人間の心の中に・・・、っていうアレですかね。(「ワニ先生こそが本物の鬼」といわれるゆえん。)

 

 ところで、カナヲが過去の辛い境遇から、感情を取り戻す過程は、「あれ、これって異世界、ファンタジー物のテンプレじゃね?」。つまりさぁ、元奴隷か何かのかわいそうな少女を解放して、普通の食事と衣服を与えてあげるだけで、主人公の男が超感謝されて、ついでに好かれちゃったりするあれか? と思ったけど、炭治郎がネット上でファンから「炭治郎セラピー」と呼ばれるほど癒しムーブと前向きな心ムーブが完璧なので、オタクの妄想みたいに痛くなってないのはすげぇよな。

 まぁ要するに何が言いたいかっていうと、炭カナ尊い