馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

ウォーターゲートも、当初は「些細な事件」という扱いだった。

 桜を見る会の問題から派生して、悪徳詐欺商法で破綻したジャパンライフが、首相とのつながりで手心が加えられていたのではないか、という疑惑。まぁ一つ臭い所を探れば、またほかに臭いところが見つかるものだろう。
 最終的にはニクソン大統領の辞任に至って、アメリカ社会を揺るがしたウォーターゲート事件も、当初は「盗聴器を仕掛けたのは、末端の選挙スタッフに過ぎない」「些細な事件だろう」という見方が圧倒的だった。
 桜を見る会は「些細な問題だから、野党は追及するな」という声も目立つ。確かに日米貿易協定など、現在いくつかの重要な政治課題を抱えているものの、同時に並行して追求すればいいだけじゃん。
 そしてよく調べてから、総体として事件の重要度を結論付ければいい。追及する前から「ささいだ」といっている人は、「追及するな」という結論ありきで、まるで追及してほしくないようだ。

 野党の追及も多岐にわたっていて、若干その時々で論点が拡散しているきらいはあるが、野党嫌いは意図的にそれに乗っかって、「そんな質問をしている野党はあほだ」という話しかしない。木を見て森を見ず。