馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

吾峠呼世晴先生に住む菩薩と不動

 (ネタバレを避けるため名前を伏せる。)
 先日、弟Aが少年ジャンプを買ってきた。「鬼滅の刃」が凄い展開になっているというので見てみたら、××が死にそう(というか、これはもう死ぬ)になっていた。

 ファンはネットで阿鼻叫喚、ドッタンバッタンの大騒ぎをしている。
 「鬼滅の刃」作者の吾峠先生は、読者を登場人物へと巧みに感情移入させる。させてから、死ぬキャラクターも出てきて、読者をどん底に突き落とす。
 この容赦なさはすごいよなー。魅力的なキャラクターができると、作者もそいつに感情移入して、死なせるのが惜しいもの。あるいは、人気が沸騰したので、ストーリーをゆがめて人気キャラを優遇してやったり・・・、という悪いパターンもある。

 
 まるで菩薩と不動。吾峠先生一人に、魅力的なキャラを描く慈愛の心と、それをストーリーの中であっさり死なぬ修羅の心が同居しているようだ。