馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

大河ドラマ「いだてん」感想。「東京=ローマ枢軸」構想やぶれる。

 「(イタリアの独裁者)ムッソリーニに頼んで、オリンピックを譲ってもらう」という、のちの日独伊防共協定や三国同盟を想起させる枢軸国感あふれるアイディアで攻める田畑たち。

 首尾よくムッソリーニの承諾は得たが、しかし、「スポーツと政治は別だ」という民主主義的な超正論で、イタリアのIOC委員は降りなかった。イタリア人の方がファシズムに抵抗しているな・・・。
 他のIOC委員からも「政治的圧力」と批判され、挙句の果てには、(「関東大震災から復興する日本」はいいとして)「紀元(皇紀)2600年に合わせるために、1940年じゃなければダメなんだ」という、日本人以外にとってはどうでもいいことを熱弁する杉村。

 これ、日本が悪役じゃん。
 いやいやもう、「東京オリンピックを盛り上げるための翼賛ドラマ」とか言って見てない人こそ、絶対見るべき大河だよ。型通りの反戦ドラマよりも、ファシズムを風刺していると思う。