馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

「FINAL FANTASY TACTICS」 当時の思い出と、アルガスというブレイブ低い男。

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 初めてプレイした当時、最初の戦闘からさかのぼって1章になり、2章に入って話がつながるという構成に、強くしびれた記憶がある。ゲームでそういう複雑な時系列を表現することが、画期的だったと思うのだ。
 アルガスはインパクトの強いキャラクターだったが、つまり、1章は過去編。そこで退場するキャラクターがのちのちまで語り草になるというのも、すごい。
 ふと思い出したことでいえば、1章の最後にアルガスと戦うが、敵がやたら強くて、ストーリー的な盛り上がりと序盤の締めにふさわしい難所だった。そこでアルガスは、時たまポーションで回復してびっくりした。アビリティを見るとオートポーションをセットしている。しかしブレイブ(勇気)の数値が異常に低いので、3分の1くらいでしか発動しなかった。
 本編ではひたすら傲慢で、嫌な奴という印象を与え続けたアルガスだが、実は臆病な性格で、平民差別も臆病さの裏返しだったのかもしれない…、などと想像が広がる。
 それというのも、有名な「人の夢と書いて儚い」のアグリアスさんのように、意外なセリフにググっと引き付けられるキャラクターばかりだから。細部が練られている証拠だ。

 よく指摘されることだが、これで後半のストーリーやバランスも練られていれば・・・、というのが惜しい。

 後半の作りは、雑誌「ゲーム批評」で当時、これ以上ないほど手厳しく批判された。ゴシップ的な話題でも、スクウェアがオウガのスタッフを引き抜いたとか、スクウェアが株式一部上場に合わせるため、粗製乱造したと書きたてられた。
 そこまでいかずとも、別冊宝島の「このゲームがすごい プレイステーション97年版」では、ゲームライターの座談会で誰もベスト3以内にあげていないことが印象的だった(「FF7」は1位にあげる人がちゃんといた)。

 「タクティクスオウガ」から間を置かず自己模倣に走ったというイメージが、評価を微妙にしたことは否めない。しばらくはネットでも、オウガとの比較が荒れるネタだった。今では冷静に語れるようになったと思うが…。

 
 余談。ゲームから離れて久しいけれど、FF10とかやりたい。でも、金と時間がナイヨー。