馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

2月の「100分de名著」、「大衆の反逆」第2回の感想。

 今朝は腹を壊して体調がいまいちだったので、「ちゃんと見る必要もないな…」と思ったのだけれど、なんとなく録画していたのを全部見た。

 そもそも、オルテガのいう「大衆」という概念に惹かれないので、部分的に面白いところもあるけど、やっぱり読みたいとは思わないな。
 だとえば、番組第1回でも強調された「他人と同じことに快楽を感じる人」というくだり。別にほっとけよ・・・、と思うね。ハロウィンとかさぁ、「みんなと一緒に仮装して、街を練り歩いてたのしー」というところまではいい。それが暴動になったら、それが問題なだけ。

 ハロウィンに便乗して暴動とか痴漢とか、そうなるとネットには、「バカどものお祭りだ」とか妙にくさしたくてたまらん人らが現れるが、カリカリそんな斜に構えるのも心がせまいよ~。いわゆる「~に親でも殺されたの?」「村でも焼かれた?」というやつ。
 とはいえ、著者のオルテガが、ネットによくいる「言うだけ番長」ではないな、と思ったのは、選挙に出馬して政治家になり、外国に亡命した経験もあること。「大衆」を見下して孤高を気どり、大学という象牙の塔に閉じこもることもできたはずだが、そうしていれば自身が批判する「専門家」と同じになっていたからね。