馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

あれから20年の自衛隊。

 昨日のNHKニュースウォッチ9では、マラソンの日本代表、故・円谷幸吉選手を取り上げていた。円谷の自殺を通して、現在につながるスポーツ界の在り方を問う内容だった。
 昔のオリンピック選手には、「国の代表」「国の誇り」としてプレッシャーがかけられていたが、中でも円谷幸吉自衛隊員だった。太平洋戦争終結から、まだ20年余り。自衛隊にも旧軍出身者が多く、ノモンハンガダルカナルで無謀な作戦を決行した服部卓四郎でさえも、自衛隊幹部の地位についていた(旧軍出身者の採用については、藤原彰「日本軍事史 下巻」56~57ページなど)。
 想像するに、オリンピック代表にも、特攻隊のように個人を犠牲にしてでも勝利を目指す文化が、根強く残っていたはずだ。